2024年07月16日( 火 )

破壊される食の安全

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、日本国民の食の安全が深刻に脅かされている5月24日付の記事を紹介する。

 食の安全に対する意識が高まっている。グリホサートを主成分とする除草剤。日本では通常のホームセンターなどでの販売が野放しにされている。しかし、米国では重大な裁判所判決が示されている。米国カリフォルニア州ではGM(遺伝子組み換え)種子とセットで販売されるグリホサート(除草剤成分)で発がんしたとしてグローバル種子企業に多額の賠償を命じる判決が多数示されている。

 グリホサート等の農薬に対する規制を定める規制機関に対する、こうした機関がグリホサートは安全であるとの結論を示すように誘導する当該企業の内部文書の存在も明らかにされている。インターネットで検索すれば、企業側が提供する「安全だ」とする情報が検索上位に並ぶ。

 大資本は金の力で御用学者を買収する。金のためなら良心をかなぐり捨てて大資本に熱烈協力する輩がいかに多いことか。ワクチンで実証済だ。

 欧米でのグリホサート訴訟でグリホサートの発がん性が公的に認められ、グリホサートに対する規制は世界的に強化されている。ところが、日本ではグリホサートの残留基準値を極端に緩和(小麦6倍、そば150倍)している。

 カリフォルニアの裁判では当該企業が、

1.早い段階から薬剤の発がん性の可能性を認識していたこと

2.研究者にそれを打ち消すような研究を依頼していたこと

3.規制機関内部と密接に連携して安全だとの結論を誘導しようとしていたこと

4.グリホサート単体での安全性しか検査しておらず、界面活性剤と合わさったときに強い毒性が発揮されることが隠されていること

 などをうかがえる企業の内部文書が証拠として提出された。

 米国産の食肉には「エストロゲン」という成長ホルモンや成長促進剤のラクトパミンが使用されており、日本の検査はザルなので日本の消費者はこれらの薬剤成分が混入する食肉を摂取している。成長ホルモンは国内で畜産、酪農で使用することが禁止されているが、輸入品には混入している。欧州はこれらの使用を禁止しているため輸入しないが、日本はザルであるため、カナダやオーストラリア、ニュージーランドも日本向けには成長ホルモンなどを使用した食肉などを輸出しているといわれる。

 日本国民の食の安全が深刻に脅かされている。消費者は、食品を購入する場合に使用されている原材料の属性を知る権利を有する。この権利を保障するために「食品表示規制」が設けられているが、これらの規制が「消費者のため」ではなく「巨大資本のため」に制定されている。

※続きは5月24日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「破壊される食の安全」で。


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