静岡空港新駅の合理性
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「JR各社や各自治体が自己利益だけを追求することにより、日本全体の利益、消費者の利益、納税者の利益が著しく損なわれる」と論じた6月9日付の記事を紹介する。
静岡県知事選で自民党が敗北した。前任の川勝平太知事が辞職したのは川勝平太氏に対する激しい攻撃が実行されたためである。4月1日の新規職員への訓示の場で失言したことは事実だが、失言は川勝知事だけの問題でない。
その後の知事選応援演説で「産まずして何が女性か。産みの苦しみは本当にすごい」と発言した上川陽子外相は何もなかったかのように外相の座に居座っている。つまり、川勝知事は失言のために辞職したのではない。日本の支配勢力にとって邪魔な存在であったために排除されたということ。
「邪魔」になった原因は川勝知事が静岡県でのリニア新幹線工事を止めたことにある。リニア建設を強行したい勢力にとって川勝知事が邪魔だったのである。逆にいえば、川勝知事の最大の功績がこの点にある。
リニア建設は現在の日本、これからの日本にとって必要なものでない。仮に建設が強行されても、早晩廃止される運命が待ち構えていると思われる。時代の変化に適応してアップデートできない人々が無理やり強行しようとしている代物である。しかし、リニア建設強行勢力にとって川勝氏辞職は悲願の達成の意味をもった。激しい攻撃を展開し続けた結果として、ついに念願が叶えられた。
しかし、この「成果」を生かすには条件があった。後任知事にリニア推進派を起用すること。
この目的達成のために自民党が総力を結集した。リニア推進派の大村慎一候補の当選に総力を結集した。選挙戦最終局面では痛々しい虚偽報道まで展開された。選挙戦で先行する鈴木康友候補に対して大村慎一候補が猛烈に追い上げて大村氏逆転の可能性があるとの報道が展開された。これは虚偽報道の一種であったといえる。
この報道を展開したのがフジサンケイグループ。結果は大差での鈴木康友候補の圧勝だった。激戦報道は大村氏への投票を誘導するために実行されたものと考えられる。
鈴木康友前浜松市長はリニア反対を表明してはいない。しかし、大村氏と比較して鈴木氏はリニアに対して慎重な対応を示していた。
大村氏は選挙戦の演説で、リニアが開業すれば在来の東海道新幹線の静岡駅停車が1.5倍になることを訴えた。しかし、この発言も正確性を欠く。JR東海は試算結果として大阪延伸が実現した場合に静岡駅停車が1.5倍になるとしているが、名古屋開業では1.1倍に過ぎない。※続きは6月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「静岡空港新駅の合理性」で。
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