2024年11月24日( 日 )

意味ある停戦協議を始動させよ

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「ウクライナ戦乱を終結させるには現在の戦況で国境線を定め、ウクライナのNATO加盟の可能性を排除することが必要」と論じた6月17日付の記事を紹介する。

スイスで開催されたウクライナ「平和サミット」が6月16日に2日間の日程を終了して閉幕した。ウクライナとロシアの戦乱を終結させるためのサミットだが肝心のロシアが招かれていない。これで解決策を見出すことは不可能である。

ウクライナのゼレンスキー大統領は本年4月に大統領任期が終了している。本来は大統領選挙を実施して新しい大統領を選出しなければならないが、ゼレンスキー氏に対する支持が急落しており、大統領選を実施すればゼレンスキー氏は落選すると見られる。そこで、大統領権限を使って大統領選挙を回避している。

ウクライナではゼレンスキー氏の独裁体制が敷かれており、国内に民主主義は存在しない。
成年男子には国外退去の自由もない。国家総動員体制が敷かれており、兵役を拒否すれば国家に処罰される。このゼレンスキーが和平を呼び掛けても成立するわけがない。

ウクライナ戦乱はNATOとロシアの代理戦争。NATOを牽引しているのは米国と英国である。2022年3月に和平交渉が成立しかけた。しかし、早期の戦争終結を忌避したのは米国である。そもそもウクライナ戦乱は米国の軍産複合体が自分たちの利益を獲得するために人為的に創作したもの。

早期に戦争が終結すれば米国軍産複合体は巨大な利益をつかみ損なう。このことから、米国が「ブチャの虐殺」などを創作して戦争終結を阻止したと見られている。

平和主義を掲げる日本は、米国が主導する戦争の長期化と拡大に反対して、早期の戦争終結を呼び掛けるべきである。ところが、日本は米国の命令に服従するだけ。ウクライナ復興費用の肩代わりを約束させられている。

平和サミットにはロシアが招かれておらず、中国も参加しなかった。同会議の共同声明には不参加のロシア、中国は無論、インド、インドネシア、サウジアラビア、メキシコ、南アフリカ、ブラジルのG20メンバー国が署名しなかった。

G20会合でこれまで対ロシア経済制裁決議が採択されてきたが、経済制裁に賛成国が10(EUを1としてカウント)、非賛成国が10という構成だった。人口比では賛成国が20に対し、非賛成国が80である。
今回の共同声明にはトルコとアルゼンチンが賛成に回ったが、その理由は採択された声明にロシア軍の撤退やウクライナ領土の回復が盛り込まれていなかったことにある。

ゼレンスキーが主張する領土回復、ロシア軍撤退という条件は意味を有していない。ゼレンスキーは戦争の継続、拡大を求めているが、このことによって生じるのはウクライナ国民の犠牲拡大と米国軍産複合体の利益拡大だけである。

※続きは6月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「意味ある停戦協議を始動させよ」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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