2024年12月24日( 火 )

若き職人が躍動する型枠工事のプロ集団・高崎組(前)

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(株)高崎組
代表取締役 高崎正大氏

(株)高崎組 代表取締役 高崎正大氏

 企業理念に「人財」を掲げ、福岡県をはじめとする九州全域、および沖縄県で主に型枠工事を手がける(株)高崎組。スーパーゼネコンを主要取引先として飛躍的な成長を続ける同社の代表取締役・高崎正大氏に、若い人財の確保・定着に向けた取り組み内容について話を聞いた。

雇用を守り抜き、沖縄市場開拓も

 ──まずは御社の概要についてお聞かせください。

 高崎 先代である父・正人が1979年に創業した当社は、昨年創業45周年の節目を迎えました。少人数からなる型枠工事の職人集団からスタートし、法人化を経て、徐々に事業規模を拡大させてきました。

 私はというと、高校卒業後2年ほど大手ゼネコンへ修行に出て、その後、独立して型枠工事を請け負っていました。30歳のころに高崎組に入社し、2009年7月に2代目社長に就任しました。当時はリーマン・ショックの影響が色濃く残っており、人員削減など厳しい決断を下す同業者を目の当たりにしました。そのなかで当社は、職人の直接雇用やそれにともなう待遇面の改善など、雇用を守る方向に舵を切りました。この経営方針をめぐり先代の父との間で議論が熱を帯びることもありましたが、経営体制を一新させたことが受注基盤の拡大、企業体質の健全化につながり、今の高崎組があります。

 ──16年には沖縄進出も果たされました。

 高崎 台風への備えが不可欠であること、建築物の大半がRC造であること、そして米軍基地移設など防衛関連の工事が多いことなど、沖縄で見込まれる建設需要に対して当社の強みを発揮することができると考え、沖縄進出を決めました。現地では地元事業者からの相談に応えるかたちで仕事に取り組んでおり、おかげさまで受注は好調です。20年には沖縄営業所と工場を完成させ、21年には機動力の向上をはたすべく、子会社の沖縄タカサキ(株)を設立しました。

 ──名実ともに福岡、沖縄の2拠点体制が確立されたわけですね。

 高崎 福岡と沖縄の2拠点で、営業エリアは九州・沖縄全域にわたります。現在の社員数は92名で、このうち約70名が職人です。平均年齢も30台前半と若手が充実していますので、将来的にはお声がけいただければ、全国どこでも対応できるようにしていきたいと考えています。

(株)高崎組

強みは世代を超えたチームワーク

 ──毎年新卒採用をされていますが、選ばれる理由はどこにあると思いますか。

 高崎 近年は毎年5~6名ほど新卒を採用していますが、今年は例年以上の8名を採用しました。建設業界はいわゆる“3K”のイメージが根強く、若者に人気の職業だとはいえません。どうすれば学生やそのご両親、さらには学校の先生に興味をもってもらえるのか、まずは「面白そうだな」と目を向けてもらえる環境を整備しようと思いました。

 そこで取り組んだのが、社員寮「若高寮」のリニューアルです。1日3食・日替わりで食事を提供する食堂や、大浴場を備えるほか、卓球やビリヤード、カラオケルームにゴルフシュミレーターなども設けました。もちろん利用はすべて無料です。私も時折寮に足を運び、若手職人たちとの交流を楽しんでいます。

(株)高崎組 人財

    23年には寮の名称を「Circle T Z-PARK」に変更しました。私が重宝しているゴルフのパターと、企業理念の人財(ZINZAI)の頭文字を組み合わせた造語です。今年8月には沖縄にワンルームタイプ(42戸)の社員寮が完成予定です。名称は確定ではありませんが、Zに続くIを用いて、「Circle T I-TIDA(ティーダ、沖縄の言葉で太陽を指す)」となる予定です。

 ──寮が定着に一役買っているわけですね。

 高崎 取引先からはチームワークの良さを評価していただくことが多く、世代を超えてコミュニケーションが取りやすい職場環境も、定着率向上の一因かなと思っています。専務と常務、沖縄を任せている取締役の3名は、私と一緒に20代から大工として現場で働いてきた仲間です。付き合いが長く、相互理解も深い経営幹部の下に各現場の職長が付き、その職長に職人たちが付くという組織体系で動いています。幹部のチームワークが良いため、スタッフの意見も届きやすく、各現場間の連携がうまくいっているのだと思います。

 たとえば現場の打ち合わせに私が参加できなくても、あとで「社長を寄こしてください」と言われたことは一度もありません。もちろん、現場での打ち合わせの前には十分社内で議論し、打ち合わせ後の報告も逐一行っていますが、高崎組の看板の下に自立して動けるチームが複数あるというのは、大きな強みです。

 ──チームワーク以外の強みは。

 高崎 機動力の高さも当社の強みですが、これも人財あってこそ。職人不足が深刻化するなか、やはり地方に行くほど施工計画は厳しいものになります。大規模な工事が計画されれば、必ず私たちの出番がある。常にそのような心構えでいることが、お声がけいただいた際の初動の速さにつながると思っています。

(株)高崎組

(つづく)

【内山義之】


<プロフィール>
高崎正大
(たかさき・まさひろ)
1976年9月、福岡県出身。福岡第一高等学校を卒業後、(株)鴻池組に就職。97年7月、(株)高崎組に入社。2004年11月に専務取締役に就任。09年7月に代表取締役に就任。趣味はゴルフ。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:高崎正大
所在地:福岡市城南区東油山6-11-13
設 立:1979年6月
資本金:1,000万円
URL:https://www.1979takasakigumi.jp

(後)

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