中央区の住宅地、学校・病院・商業施設に歴史公園そろう【福岡・笹丘】

笹丘の特徴

　笹丘エリアは、ほぼ全域が丘陵地の住宅街だ。西側は樋井川を挟んで城南区と接し、北側は筑肥新道が通っており、油山につながる幹線道路・油山観光道路が南北方向に通っている。

　多くの中高層マンションが建ち並ぶほか、福岡市立笹丘小学校、福岡市立友泉中学校、博愛会病院などが立地する市内でも人気の住宅地だ。スーパーマーケットはイオンスタイル笹丘（旧・ダイエー笹丘店）を含め近隣エリアに複数あるほか、だし巻き専門店などのニッチな店舗を含めて魅力的な店舗が並ぶ笹丘名店街などもある。さらに、マイマイスクール笹丘校（旧・西福岡自動車学校）もある。

　近隣で急激に発展しているのが、六本松エリアだ。九州大学の移転にともなって、六本松エリア北側には青少年科学館、商業施設と住宅等が入る複合施設・六本松421が、南側には福岡高裁・福岡地裁・福岡地検などが建設された。開発で街並みが大きく変わったほか、地下鉄開業および博多延伸もあって、地価も右肩上がりで推移している。

　六本松から笹丘までは、距離にして約1.5km、車なら4分、バスなら2停9分と近く、好影響は笹丘エリアまで広がってきた。イオン東側の住宅展示場跡には、エディオン笹丘店がオープン（2024年4月5日）したことも記憶に新しい。

悠久の友泉亭公園

　笹丘に隣接する歴史公園・友泉亭公園も紹介しておきたい。「友泉亭」は、筑前黒田家の六代藩主・継高公により、江戸時代の中期に別荘として設けられた。「友泉亭」という名前は、久世通夏が詠んだ「世に堪えぬ 暑さも知らず湧き出づる 泉を友とむすぶ庵は」という歌にちなんで名づけられた。かつての別荘は、北は鳥飼、南は城南区の東油山まで2万8,000坪あったとされるが、そのうち約3,000坪を整備し、1981年に福岡市で初めての池泉廻遊式日本庭園の「友泉亭公園」として開園した。池泉廻遊式日本庭園とは、大きな池を中心に配し、その周囲に園路をめぐらせて、築山、池中に設けた小島、橋、名石などで各地の景勝などを表す庭園方式で、日本庭園の集大成ともいわれる。

　友泉亭公園は、街中にいることを忘れてしまう静かな空間が広がる。公園の周辺には、7階建から10階建程度のマンションが多くあるが、公園内は木々のレイアウトなどが工夫されており、周囲のマンションなどの人工物が視界に入らないようになっている。春には新緑、夏には蛍、秋には紅葉、冬には雪を楽しむことができ、各種イベントも開催されている。

【外部ライター・奥野晃市】