2024年07月16日( 火 )

第3回脊振サミット「未来へ残そう脊振の大自然:山と川と海と」開催記(後)

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サミット開催

 諸々の準備が終わり、脊振サミットがいよいよ開会する。最前列に座っていた筆者だが、開始時間の午後1時になってもサミットがスタートしない。筆者は調整室に入り「スタートしましょう」と声をかけた。2分が過ぎていた。

 主催者として筆者が挨拶、続いて共催の早良区役所の区長挨拶はF課長が代読。ヤマハ音楽教室の講師たちで結成した男性1名、女性3名のフルートのカルテット「フルーツ・バスケット」によるフルートの演奏が会場を盛り立てる。曲目は「アメイジング・グレイス」と「サウンド・オブ・ミュージックメドレー」の2曲である。

 後輩のワンダーフォーゲル部の学生が最初に登壇。続いて参加者が登壇し、持ち時間の20分で脊振との関わりを話してもらった。登壇者の持ち時間はそれぞれ20分である。脊振との関わり、観光資源、遊歩道整備などについて熱く語ってもらった。

 なかでも、ヤマップの春山社長は当日、出張先の能登半島からギリギリの時間で駆けつけてくれた。持ち時間20分では申し訳ないので、「少し長めでもOKです」と声をかけた。15分早く進行していたからという事情もあった。

熱く語るヤマップ春山社長
熱く語るヤマップ春山社長

    彼は33歳でヤマップという地図アプリを立ち上げた。きっかけは東日本大震災の原発事故だったという。当初は「地図アプリなど要らない」と、誰も賛同しなかったという。それでも彼は信念を曲げず、ひたすら事業にまい進した結果、今やヤマップは国内最大の登山・アウトドアプラットフォームとなっている。

 発表内容はアラスカで写真家として活動していた星野道夫氏の影響を受け、アラスカに行ったというもので、これはかつてテレビ東京系の番組に出演した際に語っていた。ちなみにペシャワール会の中村哲さんの講演もこの会場で行われた。彼は中村さんに「原発事故をどう思うか?」と質問をしたという。

 講演では通常「1時間から90分は話す」といっていたので、発表者が多く時間がとれずに申し訳なく思った。いつものように登山帽子と地下足袋スタイルの気取らない姿だった。哲学的な話だったが、大変有意義だったという参加者からの声が多かった。

 脊振の自然を愛する会として次に筆者が登壇した。活動報告と脊振のブナ林について発表した。予習したつもりだったが、あとで聞くと時間を超過していたとのことだった。加齢のためか進行の時計を見る余裕もなかったのである。しかし、筆者の時間延長が幸いしたらしい。最後に登壇予定の九州大学のS先生から「いまから学会会場からタクシーで行きます」と裏方Kに電話が入り、司会者と進行をどうしようかヤキモキしていたとのことだった。筆者の話が10分長引いたので、やっと間に合ったとのことであった。

 サミットが無事終了し、残っていた登壇者と記念写真をとり、別室で懇談会をした。遠方から参加の佐賀県、吉野ヶ里町も歓談会に参加してもらった。懇談会では1人ずつが感想を述べた。発表が終わると、それぞれに拍手が起こった。参加者はみな笑顔であった。

発表者記念写真
発表者記念写真

 筆者の節目である80歳の年に一大イベントを開催し、無事終了できた。そして参加者と脊振の情報を共有できた。第3回脊振サミット会場入場者数は150名(関係者含む)。後日、登壇していただいた方々に記念写真とお礼状を出した。

 後日、以下の返事をいただいた。

母校の西南学院大学より

 このたびはご丁寧に6月8日開催の「脊振サミット」についてご報告をいただき、ありがとうございました。多くの方にご参加いただき、盛会だったことと存じます。また、現役の学生とも交流の機会をもってくださり、心より感謝申し上げます。

佐賀県有明海再生・自然環境課より

 先日は、サミットに参加させていただきありがとうございます。貴重な情報共有の場となり、また当方の活動等の広報もさせていただき、大変ありがとうございました。各発表者のさまざまな関わり方等を拝聴し、今後の脊振山系を始めとした自然環境行政に有効に活用させていただきたいと思います。また、ヤマップの春山代表の哲学的な講演は、非常に貴重なものでした。スケジュール調整など大変とのことでしたが、講演を聞ける機会を与えてくださってありがとうございます。池田様の脊振の自然を愛する会の活動内容も非常に興味深く、すぐにでも足を運びたいと思った次第です。引き続き、九州自然歩道の老朽化施設は更新等していきますので、何かお気づきの点などありましたら連絡ください。サミット後の発表者の方との意見交換も大変有意義でした。

 開催にあたり、後援の母校:西南学院大学、共催の早良区役所、名義後援の各社様、費用協賛をいただいた(株)愛しとーと、生花提供のサインエフェクト、記事掲載のデータ・マックス など各社様に厚くお礼申し上げます。

(了)

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

(中)

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