2024年08月05日( 月 )

大和財託が今秋福岡進出「福岡には積極的に投資していく」

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大和財託(株) 代表取締役CEO・藤原正明氏

 収益不動産の開発から販売、管理を手がける大和財託(株)が、今年10月の福岡進出を予定している。2013年に大阪市で設立された同社は、関西圏で実績を重ね、19年の東京進出を皮切りに、関東圏でも勢力を拡大。23年6月には名古屋市への進出もはたした。福岡進出を目前に控えた同社の代表取締役CEO・藤原正明氏に、話を聞いた。

全国的に「人気」の福岡へ
RC造マンション主体に供給

 ──福岡を進出先に選んだ理由は。

 藤原 2019年に策定した中期経営計画では、30年8月期の売上高1,000億円、経常利益100億円の計上を目標に掲げて、そのために全国展開することを示していました。事業を成長させるため、大都市への進出は市況の変化によらず、進めていく方針で、それは福岡も同様です。福岡が軌道に乗れば、札幌や仙台にも進出していくつもりです。

 当社から物件を購入いただいている投資家はその多くが東京資本ですが、彼ら投資家からも「福岡人気」は高い。投資家との話のみならず、福岡の話題は東京や大阪でもよく耳にします。増加する人口や天神・博多の再開発といった外形的な要因はもちろん、都市と自然のバランス、空港と市街地の距離、食事をはじめとした文化など、非常にポテンシャルが高いまちだと私も認識しています。そして、まだまだ当社が参入する余地、収益不動産を開発する余地がありますので、名古屋以上にリソースを投入していき、いずれはトップシェアを取っていきたいですね。

 ──福岡では、どういった商品の供給を予定していますか。

 藤原 当社のフロービジネスは大きく3タイプあります。まず、中古の1棟アパート・マンション・ビルの再生販売、次に土地を仕入れて自社設計・自社施工での新築1棟アパート・マンション・ビルの開発販売、最後に土地の有効活用(建築請負)です。供給するアセットは、エリアによって多少異なります。名古屋は木造アパートと相性が良いマーケットですが、福岡では木造も積極的に手がけながら、RC造マンションの開発を主力にしていく予定です。できれば来年春までには、第1号のRC造マンションの用地仕入れを済ませられれば、と思っています。

積極採用で早期に設計・施工できる体制へ

 ──福岡支店は、どれくらいの規模を想定していますか。

 藤原 まずは10名程度を想定しています。福岡支店の拡大にフレキシブルに対応するため、オフィスも最初はレンタルオフィスからスタートしますが、10名規模となったあたりで、大型オフィスへ移転することになるでしょう。

 福岡支店の立ち上げは、名古屋支店を軌道に乗せた当社のエース社員が担います。早期の組織化には、仕入れから設計・施工の体制構築が重要となります。初期は大阪・東京のリソースがメインとなりますが、施工に関わるところは現地の人財が担うべきだと考えていますので、シェアをとっていくためにも、採用にはコストをかけるつもりです。具体的には、一級建築士、一級施工管理技士の採用を積極的に進め、当社の強みである収益物件の一気通貫での供給体制を構築していきます。

 将来的には、木造アパートやRC造マンションに加え、ビルやホテルなどといった多様なアセットの開発も展開していきます。取引業者さまとの面談なども進めているところで、施工についてもある程度のメドが立っている状況です。とはいえ、まずは1棟つくってからだと考えていますので、早期の事業化を目指しているところです。

 ──供給エリアはどのようにお考えでしょうか。熊本など九州他県への進出も考えていますか。

 藤原 熊本なども半導体需要に沸いていますが、今のところは福岡都市圏以外への進出は考えておりません。木造アパートとRC造マンションでは、若干異なりますが、基本的には賃貸需要が底堅い福岡市および近郊で考えています。地下鉄沿線だとか西鉄沿線だというようには絞っていません。ただ、金融機関によるファイナンスが欠かせない事業ですので、融資の条件に合った立地と物件の企画が前提となります。

 福岡に限らず、供給前の青写真なら高い想定利回りを描くことも可能ですが、実際にマーケットへ物件を投入したら「なかなか埋まらない」ということも少なからずあります。それは、近隣で供給過多の間取りだったり、家賃が高かったり、さまざまな要因が考えられますが、そういったことを避けるためにもマーケティングが欠かせません。出店からしばらくは、中古物件の再販を手がけながら、供給エリアのマーケティングに力を入れてまいります。

【永上隼人】


<COMPANY INFORMATION>
大和財託(株)

代 表:藤原正明
所在地:【東京本社】東京都渋谷区渋谷2-15-1
    渋谷クロスタワー30階
    【大阪本社】大阪府大阪市北区大深町3-1
    グランフロント大阪タワーB 35階
設 立:2013年7月
資本金:1億円
TEL:【東京本社】03-6805-0325
    【大阪本社】06-6147-4104
URL:https://yamatozaitaku.com/

<プロフィール>
藤原正明
(ふじわら・まさあき)
1980年生まれ、岩手県出身。三井不動産レジデンシャル(株)で分譲マンション開発業務に携わり、その後関東圏の不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。2013年に大和財託(株)を設立。不動産・建築領域などを活用した資産価値共創事業を東京・大阪をはじめとする主要都市圏で展開する。資産価値をつくるさまざまなサービスを駆使し、“圧倒的顧客ファースト”を掲げ、お客さまの人生に伴走しながら今までにない価値を開発・建築している。自社で運営しているYouTubeチャンネル『藤原正明の「最強の不動産投資チャンネル」<大和財託(株)>』やXといったさまざまなプラットフォームで資産運用についての知識や考え方を発信している。

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