「高宮駅2分」「天神隣接」に挑む、東宝住宅のフリーディアマンションとは

注目の入札2物件、東宝住宅が落札

　マンションデベロッパーの東宝住宅（株）（北九州市小倉北区）が、西鉄・高宮駅から徒歩2分の銀行職員住宅跡および地下鉄・中洲川端駅から徒歩6分の消防会館跡の2物件を入札により取得した。

　西鉄・高宮駅から徒歩2分の銀行職員住宅跡は、隣地のクリニックの取得も済ませており、敷地面積は約590坪におよぶ。同地の用途地域は第2種住居地域、容積率は200％、建ぺい率は60％。未確定ながら、東宝住宅はRC造・地上10階建の分譲マンション開発を検討しているという。総戸数は46戸、間取りは3LDK～4LDK、専有面積は75ｍ²～100ｍ²となる見通し。西鉄・高宮駅から徒歩2分という立地ながら、敷地の広さを生かし、駐車場はすべて平置きで、総戸数を上回る台数を確保するという。手続きが順調に進めば、来年中には着工できそうだ。

　さらに同社は、地下鉄・中洲川端駅から徒歩6分の消防会館跡も取得した。すでに既存建物の解体に着手している。用途地域は商業地域で、容積率は500％、建ぺい率は80％。こちらも未確定ながら、RC造・地上16階建の分譲マンション開発を検討している。総戸数は36戸、下層階から中層階までが50～70ｍ²の1フロア3戸、上層階が80ｍ²台の1フロア2戸、最上階は100ｍ²超の1フロア1戸で構成される見通し。天神へのアクセスの良さや立地の希少性から、セカンドハウスなどの需要も想定しているようだ。こちらは、来夏の着工、26年度中の竣工を目指している。

高価格帯でも実績多数の
フリーディアマンションとは？

　これら2物件は入札時から注目を集めており、東宝住宅が落札したことで、さらに話題となっていた。東宝住宅は、北九州エリアと福岡エリアとで供給するマンションブランドが異なる。「フリーディア」は、福岡支社オリジナルのマンションブランドだ。フリーディアマンションは、支社開設から20年近くにわたり、福岡市南区や早良区で集中的に供給されてきた。

　東宝住宅によれば、「フリーディアの哲学には、『街区のアイコンとなるデザイン』、そして『ゆとりある住空間』があります。特徴的でありながらまちに溶け込む上質な外観デザインと、快適な暮らしをイメージしたオリジナルキッチンをはじめとした設備仕様、そしてワイドスパンの室内空間の実現に力を入れてきました」という。

　フリーディアマンションは角住戸率を高め、間取りにこだわるために好立地の小規模マンションが中心で、専有部分はカラーコーディネート可能なオリジナルキッチンが標準仕様となっている。

    「LDKを生活空間の中心と捉え、なかでも空間の質を左右するキッチンデザインに力を入れてきました。今回の2物件はこれまで以上にハイエンドな仕様を目指しておりますが、外観など共用部だけでなく、室内空間についてもより洗練されたものにすべく、プランを練っているところです」（東宝住宅・福岡支社）。

　福岡市中心部では、地価および建設コストの高騰により、東京資本の大手デベロッパーがマンション供給のメインプレイヤーとなって久しい。「75ｍ²で1億円超」が当たり前の高級マンション市場に、地場デベロッパーが割って入れるか注目したい。

【永上隼人】

＜COMPANY INFORMATION＞
東宝住宅（株）
代　表　：東憲和
福岡支社長：東潤一郎（取締役副社長）
所在地　：北九州市小倉北区下到津4-9-2
　　　　　東宝ビル
福岡支社：福岡市博多区博多駅前1-31-17
　　　　　TOHO福岡ビル6F
設　立　：1967年7月
資本金　：4,620万円
ＴＥＬ　：092-472-8032（福岡支社）
ＵＲＬ　：https://freadia.com/