韓国経済ウォッチ~アップル、最高益を更新
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
アップルが過去最高の記録を塗り替えたことが、業績発表で明らかになった。世界のスマホ市場の成長が鈍化しているなかで、アップルだけは快進撃を続けている。これによって、アップルはスマホ市場の利益を独り占めする傾向がますます強まっている。
アップルは10月27日、今年の7月~9月の業績を発表した。売上高は515億ドルで、純利益は111億ドルである。前年同期対比で売上高は22%、純利益は31%を伸ばしている。このなかで、iPhoneの販売台数は4,800万台になっており、売上高の63%を占めている。新製品であるiPhone6sとiPhone6s Plusの販売期間は、第3四半期には2日間だけカウントされて、前のモデルであるiPhone6とiPhone6 Plusの販売実績が今回の数値である。すなわち、前モデルが1年近く販売好調を維持したことを物語っている。
とくに、アップルの売上の伸びに勢いを与えた地域は、中国である。香港、台湾を含めた中華圏の売上高は125億ドルで、前年同期対比2倍くらいの成長を遂げている。これは、全体の売上の4分の1に該当する。今後、中国市場の成長にアップルの将来がかかっていると言っても過言ではないくらい、アップルの中国へのウェイトが高まっている。カナダの投資分析会社によると、今年の第1四半期の世界スマホ市場の総営業利益の92%をアップルが占めているとのことだ。一方、サムスン電子は同期間の営業利益の15%を占めている。両社の営業利益を合計すると100%を上回ってしまうのは、営業損失を記録している会社が存在するからだ。アップルとサムスン電子以外はスマホ事業で、かろうじて損益分岐点に到達しているか、赤字を出しているということになる。スマホ市場は競争が激化していて、製品を販売しても現実的には利益を出せない企業が多数を占めているようだ。
2013年第3四半期にアップルは全体営業利益の56%を、サムスン電子は52%を占めていたが、その後、サムスン電子もアップルに水を開けられている状況だ。サムスン電子の営業利益率の割合が下がってしまった理由は、サムスン電子はプレミアム商品ではアップルに市場を奪われ、中低価格のスマホでは中国メーカーと競争するため中低価格品を投入せざるを得なくなり、その販売比重が増加しているからだ。サムスン電子がスマホ市場の市場占有率で1位に上がったのは12年で、その後、出荷売台数は伸ばしてきたが、今年、初めて出荷台数が前年対比で減少しそうだ。業界の予想では、前年対比1%ほど減った3億2,350台の出荷が見込まれている。出荷台数の減少理由は、ファーウェイ、シャオミ、レノバなどの中国メーカー3社の世界シェアがすでに20%になり、急激に成長していることと、それに反して市場はむしろ成長が鈍化しているからだ。
サムスン電子の苦戦を尻目に、アップルは第4四半期にも史上最高の実績になることが予想されている。大きな画面への買い替え需要の増加、アンドロイドフォンからiPhoneへの買い替えが、今後、増えていくことを予想している。中国ではiPhoneが、1つのブランド品として定着しつつあるようだ。関連キーワード
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