2024年11月21日( 木 )

建設業界のDX化を支援 魅力的な現場を実現するANDPAD

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)アンドパッド

 人手不足に悲鳴を上げる建設業界。魅力的な現場へと変貌させるうえで、DXは避けて通れない。(株)アンドパッドはクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を通じて、建設業界のDXを支援する。6年連続シェアNo.1を獲得、国内にとどまらず、アジアへの挑戦を始めている。

DXの遅れも人材難の要因

現場で活躍する「ANDPAD」
現場で活躍する「ANDPAD」

    建設業界では今年4月、時間外労働の上限規制の厳格化が施行された。(株)アンドパッドの調査によると、残業削減に向けて、経営層の約5割がDXの重要性を指摘している。しかし、本格的にDX化に取り組んでいるのはゼネコンが中心で、サブ・コントラクターや中小の建設会社では旧態依然というのが現状だ。

 建設現場では進行状況が日々変化していく。設計・仕様の変更、それにともなう施工開始の遅延も。そうした情報を共有する施工管理、是正指示や写真の管理といった煩雑な業務に割く時間も膨大となる。業務の効率化を目的に、大手ゼネコンを中心にDXが進行中。それに引きずられるかたちで、地場の有力ゼネコンにも同様の動きが広がりつつある。

 一方、建設業界の95%を占める中小企業は遅れを取っている。IT活用が当たり前の若者の目には、魅力ある業界とは映らないだろう。多くの建設会社が人材難に直面しているが、DXの波に乗り遅れたことも、その要因の1つに挙げられる。

学生時代から起業を意識

 そうした建設業界の課題を解決してくれるのが、同社が提供するDX化支援プラットフォームのANDPAD。住宅・専門工事・ゼネコンといった各分野の業務をDXによって効率化するツールだ。

 同社の稲田武夫代表は、学生時代に仲間と会社を立ち上げたり、ベンチャー経営者と交流したりするなど、自身で起業する夢をもっていた。新卒では多様な事業をもつリクルートを選択。さまざまな仕事を通して、自分自身がすべきことを模索した。

(株)アンドパッド 稲田武夫代表
稲田武夫代表

    「日本国内で最も大きな課題にチャレンジしたかった。建設業をデジタル化することが、最も日本のためになるのではないかと考えた」(稲田代表)。

 国を支える建設産業に、新しい人材がどんどん関わるような構造へと変化させたい──そうした理念を胸に、2012年にアンドパッドを設立。建設業界をDXするというチャレンジに乗り出した。10年余りが経過した今、ANDPADの利用は20万社に上り、国内で圧倒的シェアを誇る存在となった。

1プラットフォームで完結

 ANDPADは幅広い機能を用意。建設会社が“こんなツールがあればいいのに”と思う機能がすべてそろっているため、1つのプラットフォームでDXを完結できる。

 最もニーズが大きいのが施工管理。すべての関係者が、最新の施工情報をいつでもどこでも閲覧できる。チャット機能や、最新の図面・写真を共有できる機能、検査結果をリアルタイムで共有できる機能なども用意。従来紙で行ってきた帳票作成といった面倒な受発注業務も効率化できる。ANDPADと自社システムをAPI連携することで、二重入力の削減も可能となる。

 同社ではANDPADを通じて、これまでに膨大な量のデータを蓄積。ユーザー数は50万人に達する。施工に関するさまざまなデータのほかにも、受発注データも蓄積されている。こうしたビッグデータを活用して、国交省が目指す“良い仕事をする事業者が、良い条件で仕事を得られるという社会づくり”へ貢献する考えだ。

(株)アンドパッド    ANDPADの利用先は、ゼネコン・住宅・専門工事・土木・不動産など多数のセクターに分かれる。それぞれニーズが異なり、求められる機能も違う。現在、総勢約700人の社員が、各セクターのプロダクト開発・営業・サポート関連の業務を遂行している。

 これに加え、年に1度、顧客を表彰するANDPAD AWARDが社内・社外含めロイヤルティーを高めるのに重要な役割をはたしているという。ANDPADの導入で特筆すべき効果が見られた企業を表彰するというものだ。「こんなにも業務の効率が改善した」という顧客の評価を実感できるなど、従業員にとって仕事の喜びを感じ取れる機会となっている。

アジアへの挑戦

 今後、同社が目指すものは何か。「やはり、日本中の建設会社の関係者から『一緒にDXを進めてよかった』といわれるプラットフォームになるまで、ANDPADを成長させたい」(稲田代表)。建設業界全般でDXが進展し、新しい人材が業界に関心を寄せる状況を生み出したいという。

 同時に、視線は海外にも向けられている。3年前にベトナムのホーチミン市に子会社を設立。エンジニアの拠点としつつ、東南アジア全域のビジネス展開も視野に入れる。すでにベトナムではANDPADを活用する企業が増え始めている。アジア各国での展開も目指し、今後の展開にも期待したい。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:稲田武夫
所在地:東京都千代田区神田練塀町300
    住友不動産秋葉原駅前ビル8F
設 立:2012年9月
資本金:116億9,208万円
T E L:03-6831-4550
U R L:https://andpad.co.jp

関連キーワード

関連記事