2024年09月06日( 金 )

「9月1日防災の日」秀逸な女性用防災バッグに感銘(後)

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(株)アクロテリオン
代表取締役 下川弘

抗菌作用をもつ特別に調合されたアロマスプレー(アロマウィッシュ)

 ほかにも「女性用防災グッズ」として販売されているものはたくさんあるが、ほとんどが普通の防災バックに生理用品が入っているだけのものが多い。この「Woman‘s Emergency Bag」のなかで、大きな特徴といえるのは、密閉した350mlアルミ缶のなかに「アロマスプレー」が入っていることだろう。このアロマには抗菌・抗ウイルス用に優れた「ティートゥリー」や、心を落ち着けて、ストレスを和らげ、感情のバランスをとってくれる「ラベンダー」、そして、頭痛や不眠など神経系の興奮を冷まし、心地よい状態をつくり上げる効果がある「サンダルウッド」などがアロマ専門家によって特別に配合・精油してつくられているという。

 ライフラインが途絶えてしまって、衛生レベルが低下すると、約2 週間目ぐらいから感染による疾病が多くなるともいわれる。もちろん不衛生な状態による心的ストレスや匂いも気になるだろう。とくに繊細な女性にとっては、このアロマの香りによって、どれだけ避難所生活でのストレスから解放されるかわからない。男性もしかりかもしれない。まさに、他の防災グッズには入っていない逸品だ。

 そしてまた、アロマ保存缶は、保存料を一切使用してないアロマオイルを350mlアルミ缶に密閉することで、5年保存を実現している。さらにこのアルミ缶は開封後にコップの変わりにも使うことができる。避難場所では、水はあってもコップがないケースも多い。避難所での健康管理においてもコップはとても大切なグッズだ。しかも熱いお湯を注いでも持てるようにと、缶のなかには断熱材の厚紙まで準備されており、無駄がなく、二重三重の工夫がなされている。

アロマスプレーとアロマ保存缶(密閉用アルミ缶) (一番左は一緒に梱包されている断熱紙で巻いた場合の保存缶)
アロマスプレーとアロマ保存缶(密閉用アルミ缶)
(一番左は一緒に梱包されている断熱紙で巻いた場合の保存缶)

何気ない非常用ポンチョ

 避難所では、被災者の方々が終始廻りにいるため、洋服の着替えをすることもままならない。そうしたときにかぶるだけで、人目を気にせず、着替えができる。それだけではなく、急な雨のときにはカッパの替わりにもなる優れものである。こうした何気ない品物が入っていることもとても大事である。

圧縮バスタオル・圧縮靴下・圧縮ショーツ

 こんなものまで入っているのかと思うのが、圧縮バスタオル・圧縮靴下・圧縮ショーツである。圧縮バスタオルは直径10cm、厚さ2.5cmの円柱型で、一見するとコップの下に敷くコースターを何枚か重ねたものかと思うぐらいであるが、これが、水に浸けるだけで、1m40cm×70cmの大型バスタオルに変身するからビックリする。

 圧縮靴下(縦横6cm角)や圧縮ショーツ(直径6cmの円柱型)もバスタオルと同じく非常に軽く、ビニール包装を解くだけで、すぐに使える。繊細な身体の女性には必需品であろう。

 すでに防災グッズを準備されている方々の非常用持出袋のなかに、バスタオルや靴下・ショーツなどを入れている人はどれだけいるのだろうかと筆者は疑問にも思った。つまり、そのまま非常用持出袋にバスタオルなどを入れてしまうと、中はそれだけでかさばってしまう。これに対し「Woman‘s Emergency Bag」には圧縮したものが入っているので品物自体も軽いし、バッグのなかのスペースを空けることができる。よく考えられた品物が入っていることに感心するばかりである。

左:非常用ポンチョ
右:圧縮バスタオル・圧縮靴下・圧縮ショーツ

レスキューブランケット

 レスキューブランケットは、自衛隊などが使っているアルミ素材のブランケットである。「Woman‘s Emergency Bag」のなかには11cm×7cmに折りたたまれて入っているが、広げると1m37cm×2m17cmの大きさまで広がる。

 東日本大震災や能登半島地震の発生時期は厳冬期であった。雪が降るなかでの避難所生活は、毛布だけでは耐えがたい寒さだったに違いない。そうしたときに体温の低下防止のための防寒具になり、また20年7月の熊本豪雨のときは逆に、酷暑のなかであった。その夏の暑い時には遮熱用としても利用することができる。このレスキューブランケット自体は、一般的に市販されているものもあるが、これだけコンパクトになっているものは見当たらない。

レスキューブランケット
レスキューブランケット

まとめ

 女優の杏さんが自身のYouTubeチャンネルの「我が家の防災グッズ」のなかで本「Woman‘s Emergency Bag」を紹介している。杏さんは連続ドラマ『日本沈没-希望のひと‐」に出演されたこともあり、人一倍防災意識の高さをもっていらっしゃるように感じた。

 この「Woman‘s Emergency Bag」のなかには全部で22アイテムの工夫された逸品が入っており、まだまだ紹介したい品物もたくさんあるが、ぜひ女性の皆さん自身で手に取って見てもらう方が早いと思われるし、「なるほど、よく考えられているなぁ」と実感されるであろう。

 最初にも述べたように、地球温暖化を含め、巨大台風・ゲリラ豪雨・線状降水帯・竜巻・土砂崩れ・河川の氾濫、そしてもう目の前に南海トラフ巨大地震、首都直下地震、活断層地震が迫ってきていることを認識して、皆さんの身近にいらっしゃる繊細な女性や子ども達を守る為にも「Woman‘s Emergency Bag」を準備しておくと、もしものときに役にたつと確信している。

(了)

※「Woman‘s Emergency Bag」のお問い合わせ・購入については、アクロテリオンHPまで


<プロフィール>
下川弘
(しもかわ・ひろし)
1961年11月、福岡県飯塚市出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築営業本部やベトナム現地法人のGM、本社土木事業本部・九州支店建築営業部・営業部長などを経て、2021年11月末に退職。(株)アクロテリオン・代表取締役、C&C21研究会・理事、久留米工業大学非常勤講師。

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