2024年09月06日( 金 )

自民・小泉氏「首相になれば早期解散」「夫婦別姓法案を国会提出」と明言

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 自民党の小泉進次郎元環境大臣(43)は6日、記者会見を行い、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。

 小泉氏は「今回の総裁選は自民党が本当に変わるのか、変えられるのは誰かが問われる選挙です」と述べ「『誰がやっても変わらない』。政治に期待しない声が多いなか、自民党が真に変わるには、改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶことです」と改革断行を訴えた。

 派閥の政治資金事件を受けて「できるだけ早期に衆議院を解散し、国民の信を問う」と自身が首相に就任した場合、早期の衆議院解散を明言した。

 政治資金をめぐっての問題が指摘された議員の公認に関しては、説明責任や再発防止の取り組みなどを踏まえて「新しい執行部で厳正に判断する」としたうえで「選挙で信任を得るまで要職に起用しない」と述べた。

 政策面では「聖域なき規制改革」を掲げ、「労働市場改革の本丸である解雇規制の見直し」と「ライドシェアを全面解禁し、地方の移動の不便の解消」をすることや「スタートアップが劇的に拡大する仕組みを整備」するとした。

 また、「人生の選択肢の拡大」として、「選択的夫婦別姓制度」を導入する法案を国会に提出することや「働いても手取りが下がる年収の壁の撤廃」「労働時間規制の見直し」も掲げた。

 経済政策としては「インフレと金利がある環境でも経済が成長できるよう、日本経済の体質強化」を行うことや「物価高が続く低所得者への支援や中小企業への支援に取り組む」ことを打ち出した。

 憲法改正については「新しい日本をつくるうえで憲法改正は最終戦で取り組む課題」として、国会での論議に「全身全霊で臨み」、改正発議の環境が整えば、「直ちに発議し、国民投票を行う」と明言した。

 北朝鮮による日本人拉致問題について、小泉純一郎元首相の訪朝から20年が経過したが、解決に向け、「同年代のトップ同士、胸襟を開いて直接向き合う」とした。

 「聖域なき規制改革」は、父・純一郎氏の「聖域なき構造改革」を継承するものだが、小泉政権時代に、郵政民営化の賛否をめぐり反対派議員が自民党から追放されたことで党内論議が委縮したことや社会格差を拡大させたことへの批判も根強い。

 一方で、旧態依然とした在り方を変えていくことで、経済成長著しい新興国との競争に対抗していくことが求められており、会見でも質問が出されたセーフティーネットの整備などをどうしていくのかが課題になる。

 各種世論調査では小泉氏と石破茂元幹事長などが「総裁にふさわしい人」の上位であり、永田町周辺では小泉氏を有力候補とみる見方が多いが、問題は議員票をどれだけとれるかにある。

 政治資金問題での公認の是非や衆議院の解散に言明したことに対し、自民党内からは反発の声が上がっている。父・純一郎氏ほどのカリスマ性は備わっていないだけに、年長の議員から妬みや反感を買うことはマイナスになりかねない。

 なお、福岡県選出の自民党国会議員では、小泉氏の後ろ盾である菅義偉前首相に近い武田良太元総務大臣が小泉氏を支持している。

 総裁選はこれまでに、石破元幹事長(67)や河野太郎デジタル担当大臣(61)、林芳正官房長官(63)など5人が出馬を正式表明しており、小泉氏は6人目である。総裁選の現行のルールが1995年に定められて以降で立候補者は最多となる。この他、高市早苗経済安全保障担当大臣(63)が9日に出馬会見を行う予定となっている。

【近藤将勝】

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