公明・山口代表が退任へ~後継に元国交相・石井氏の見通し
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公明党の山口那津男代表は、10日午前の記者会見で、「(党の)新しい陣容を整える状況がきた。次の世代にバトンを譲るべきだと決断した」と述べ、今月28日の党大会で実施される代表選に出馬せず、退任する考えを明らかにした。
代表選は18日に告示され、石井啓一幹事長が出馬する意向を固めており、15年ぶりに公明党の代表が交代することになる。
山口氏は党政調会長などを経て、2009年に衆院選で落選した太田昭宏代表(当時)の後任として代表に就任し、過去最長となる8期にわたって代表を務めてきた。山口氏は支持団体の創価学会旧婦人部(現・女性部)からの人気が高く、親しみを込めて「なっちゃん」と呼ぶ支持者もいた。
衆院解散・総選挙が年内にも行われる見通しであることや、来年の東京都議選などを考えて、当初は山口氏の代表続投が検討されていた。しかし、岸田文雄首相の退陣表明にともなう自民党総裁選や、立憲民主党の代表選が行われるなか、「公明党も代表を一新し、世代交代を行うべき」との声を受け、退任することとなった。自身の任期満了となる来年の参議院選挙については「まだ公認をする作業が残っており、自分自身のことは最後に判断したい」と述べた。
代表選には石井氏以外に立候補の動きはなく、告示日の18日に石井氏の新代表就任が決まる見通しだ。
石井氏は、元建設官僚で、道路局路政課課長補佐などを務めた。第1次小泉内閣では、財務副大臣を務め、第3次安倍内閣では、国土交通大臣を務めた。なお、国土交通大臣のポストは12年12月以降、公明党が死守している。国交省は建設や運輸、物流など幅広い業界の監督官庁であり、幅広い業界団体の支援を受けられるメリットがある。
中国との友好を重視する公明党だが、石井氏は20年、中国・全国人民代表大会常務委員会の決定に基づき香港立法会(議会)の民主派議員4人が議員資格を剥奪されたことに関し、「中国は一国二制度をきちんと守るという国際的な公約をぜひ守ってもらいたい」と述べるなど、“言うべきことを言う姿勢”を評価する声がある。
なお、石井氏は、現在、比例北関東の選出だが、次期衆院選では埼玉14区に転出することが決まっている。
【近藤将勝】
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