10月27日衆議院解散の見方拡大～自民党総裁選スタート

　政府は岸田文雄首相の後継を選出する臨時国会を10月1日に召集する方針を固め、与党に伝達した。召集日に衆参両院本会議で首相指名選挙を行い、27日の自民党総裁選で選ばれた新総裁が首相に指名され、その日のうちに新内閣が発足するものとみられる。

　年内の衆議院解散の可能性が指摘されていたが、政府、与党において衆院選が10月15日公示、27日投開票になるとの見方が強まってきた。その一方で、従来からいわれてきた11月10日投開票の可能性もある。

　10月27日投開票とした場合、新首相が就任後、直ちに解散日程を表明し、衆参両院での所信表明演説と各党代表質問を終えた9日前後の衆議院解散になる。また参議院岩手選挙区の補選などとも同日選となる。

　自民党内には、新たな党総裁・首相の誕生で「政治の刷新を行った」と国民に認識させて選挙戦に持ち込めば、政治資金問題で失墜した国民の政治への不信感が払しょくされ、その結果、大敗することがなくなるとの見方が少なくない。

　今日告示の自民党総裁選には過去最多の9人が立候補する。高市早苗氏のように「解散は適切な時期に」と慎重な姿勢をとる候補者がいる一方で、小泉進次郎氏など早期の衆議院解散を主張する候補者もいるため、政府与党は、新首相の所信表明演説や各党代表質問など具体的な日程について、今後調整を行うことになる。

【近藤将勝】