2024年09月17日( 火 )

持続可能な社会の実現に貢献する タイルカーペット再利用に注力

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(株)テツコーポレーション

(株)テツコーポレーション 藤野徹治氏(右)と竜太郎氏
藤野徹治氏(右)と竜太郎氏

 賃貸住宅の原状回復や一般住宅、店舗、オフィスなどのデザインリフォーム・リノベーションを幅広く手がけ、そのなかで環境保全や持続可能社会の実現への取り組みを推進してきた(株)テツコーポレーション。近年はこれまで大量に廃棄されてきたタイルカーペットのリユース事業を展開することで、さらに取り組みを強化している。

処理が困難な廃棄カーペット

 オフィスなどの床材として用いられているタイルカーペット。オフィスの原状回復や改装などにともなう消費量は日本全国で年間に約2万4,000㎞2にのぼり、これは日本の国土面積の16分の1に相当する量だという。しかし、熟練作業者の不足と管理費用の削減で、ブレークダウンクリーニング(復元作業)が行われないビルが多く、カーペットの表面だけを「きれいに見せる」作業が一般的で、歩行圧でカーペット内部に踏み固められた汚れは取り残されたまま、除去が困難となっているのが現状だ。

 そのため、タイルカーペットは捨てられるものが多く、その際に産業廃棄物のなかでも「処分困難物」として扱われているのが一般的だ。裏面に塩化ビニルなど、焼却するとダイオキシンを発生する素材が使われているからだ。そのため焼却処分ではなく埋め立て処分が行われているが、埋め立て最終処分場に適した土地は年々減少しており、近年中に法規制が導入されることも予想されている。加えて、産業廃棄物処理費用も年々上昇している状況でもある。

2サイクル利用を可能に

 (株)テツコーポレーションでは、「この限りある資源を有効利用できないか」との視点から、タイルカーペットリユース事業に着手し、福岡でこの分野をリードする存在となっている。

 その事業の具体的なスキームは、テナント入れ替えにともなう原状復旧工事や、オフィスの意匠替えなどの際に、それまで使用されてきたタイルカーペットを回収し、それを徹底的にクリーニングすることで循環型リユースを実現するというものだ。通常1サイクルで廃棄されるものが、2サイクルまで利用することが可能になるわけで、廃材の再資源化、廃棄にともなうエネルギーの削減、廃棄量の削減に貢献することもできるようになる。

新品の張り替えよりコストを削減

(株)テツコーポレーション リユース・タイルカーペットの流れ

 特徴の1つにコストの削減がある。リユース・タイルカーペットの場合、新品の張り替えと比較して、ランニングコストを2分の1から3分の1程度(同社比)に抑えることができ、最大で約50%のコストカットができるという。

 さらに、回収・クリーニングしたタイルカーペットの販売にも着手。加えて、耐久性の劣化を抑えられる、高度なクリーニング技術の開発にも取り組んでおり、今後は安定して2サイクル以上再利用できる方法を確立し、建設にかかわる排出ゴミのさらなる削減、それを通じた環境保全に貢献することを目指している。

オフィスやテナントの長寿命化にも貢献

 同社ではこのほか建築・内装の設計・施工業務において、経年劣化しにくいフローリング資材など、実用的な素材・材料を使用することで物件の価値を高め、長期的に利用できるオフィス・テナントづくりも推進。さらに、防炎・防音・遮音性の高い構造設計を行うことで、オフィス・テナント内の安全設計と長寿命化に取り組んでいる。

 SDGsが社会に広く認識されるようになった今、地球温暖化対策や環境保全といった社会課題へのソリューションを提供することが、あらゆる産業において重視され、それは企業の存続を左右するものとなっている。そうした観点から、タイルカーペットリユース事業は、テツコーポレーションの将来的な存続にも強く貢献するに違いない。

左:施工事例1、右:施工事例2

<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤野徹治
所在地:福岡市城南区長尾2-6-7
設 立:2006年7月
資本金:300万円
TEL:092-532-1117
URL:http://www.e-t2.com/index.html

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