人と人の接点を大切にしたおもてなしで宿泊から宴会まで心に残るひとときを提供する
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(株)ホテルオークラ福岡
コロナ禍という未曽有の試練に見舞われたホテル業界は今、国内旅行客が回復し、円安にともなうインバウンド客の急増が追い風となっている。その一方で、外資系ホテルや宿泊特化型ホテルなどの登場で業界の競争は激化している。(株)ホテルオークラ福岡は、人によるおもてなしを基礎とするサービスで、福岡のホテル業界を牽引する。
宿泊から宴会、結婚式まで真心のサービスを提供する
ホテルオークラ福岡は、日本のホテル御三家として知られるThe Okura Tokyoを運営する(株)ホテルオークラの系列ホテルとして1999年3月に開業、今年で25周年を迎えた。
同ホテルの客室数は264。最大2,000名まで収容可能な1,500m2を始めとした大小12の宴会場と、ガーデンを併設したチャペル。レストランは和洋中・ビュッフェ・寿司などとラウンジバーを備え、トレーニングジムと屋内プールを完備したヘルスクラブまでホテル内に有する。
同ホテルを運営する(株)ホテルオークラ福岡は、個人の宿泊やレストラン利用から結婚式のみならず、法人客に広いリピート顧客を有し、出張のビジネスマンによる宿泊や企業によるイベント開催まで幅広く対応する。高度に訓練された従業員による真心のサービスで最高のおもてなしを提供し、都市における人と人の交流文化を支える同社は、人の心に残るひとときを提供する高級ホテルとして福岡市の文化に貢献してきた。
コロナ禍の試練 5類移行で本格回復へ
売上のピークはコロナ禍前の2019年3月期で売上高64億3,500万円。コロナ禍によって旅行・ホテル業界は大打撃を受けた。コロナ禍では全国旅行支援などが行われたが、宿泊とともに宴会場を大きな売上の柱とする同社にとっては、旅行支援で宿泊客がある程度回復しても集会や宴会の自粛ムードが続いたことから、経営の厳しい時期が長く続いた。
また、同ホテルは福岡国際会議場などにも近いことから、大規模な学会やイベントが国際会議場で開催される場合の宿泊場所として利用されていた。しかし、コロナ禍ではその需要も大きく減り、開催されてもハイブリッド形式などで、回復ペースは遅かった。同社の業績が回復の軌道に乗りはじめたのは、新型コロナウイルス感染症が23年5月上旬に5類感染症に移行し、インフルエンザなどと同じ扱いになってからだ。その結果、前期の24年3月期はコロナ禍直前の20年3月期以来、じつに4期ぶりの黒字回復をはたした。
業界の人材難 ホテル業は二極化へ
コロナ禍が明けて以降、福岡はアジア圏、とくに韓国を中心としたインバウンド客の増加が著しい。同社の客室稼働率はコロナ禍直前の19年が85%程度であったのに対して、24年3月期は75%程度まで回復した。コロナ禍で東京の営業所を閉鎖していたが、今後、東京の営業にもテコ入れを図り、コロナ禍前の水準への本格回復を狙う。
目下の課題は人手の確保だ。同社にはコロナ禍の苦い経験がある。コロナ禍で振り回されたホテル業界を多くの人材が去っていった。とくに若い世代で、ホテル業界全体の先行きに見切りをつけて他業種に転職していった人は少なくない。同社も人材の引き留めに手を尽くしたものの、すべてを引き留めることはできなかった。今、ホテル業界全体は行動制限の解除以降、急速に需要が戻り始めている。しかし、コロナ禍でホテル業界から流出してしまった人材はなかなか戻ってこない。需要の回復に合わせて募集をかけても、業界全体の人材の母数が減っているため人がなかなか集まらず、結果、宿泊の予約や宴会の受注に制限をかけざるを得ないというのが業界の現状だ。
とくに宴会などの利用がもっとも見込まれるのは1~3月。同社は24年3月期に黒字回復をはたしたが、同第4四半期(1~3月)は人手の確保の問題によって、同社も予約の一部を断らざるを得ない事態が発生したという。
このように人材難にあえぐホテル業界は二極化が進んでいる。できるかぎり人手によるサービスを省いた宿泊特化型のホテルと、人のサービスを重視するホテルだ。
オークラが提供するもの 人によるおもてなしの文化
同社の杉山良太社長は次のように語る。「当ホテルの強みは、人によるおもてなしを重視する点にあります。ホテルに対して宿泊機能だけを求めるお客様もいますが、その一方で、人によるおもてなしのサービスになにものにも代えがたい価値を見出すお客様もいます。当ホテルは、これからもおもてなし文化を担うホテルとしてお客様のニーズに応えていきます。そのためには人的サービスを劣化させないことが重要です。」人材教育に定評のある同社は、改めて人的サービスの質に磨きをかける。
同時に、コロナ禍からの回復を機に、社員の待遇の改善にも力を入れる。杉山社長は、「コロナ禍を経て、ホテル業界はどこも財務の立て直しが急務ですが、当ホテルは人材の処遇改善を優先事項としています」と語る。社員の満足度が、顧客満足度向上のために重要になった時代。同社は、人材力を基礎としたホテル業として、人材とともに福岡と日本のおもてなしの文化を支え、多様化するホテル業界のなかで存在価値を高めていく。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:杉山良太
所在地:福岡市博多区下川端町3-2
設 立:1996年2月
資本金:5億円
TEL:092-262-1111
URL:https://www.fuk.hotelokura.co.jp法人名
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