2024年10月01日( 火 )

ベストなタイミングでの事業承継で企業のさらなる発展と組織永続化へ

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(株)イーエイチエル

(株)イーエイチエル 宇都正行代表
宇都正行代表

企業価値を高めて次に託す

 「3年前の2021年4月に、全株式を譲渡するかたちでヤマエ久野(株)に(株)栄住産業を売却しました。今振り返ると、事業承継のタイミングとしては良かったのではないかと思います」──と語るのは、栄住産業の創業者であり、同社を福岡県内でトップクラスの金属防水工事業者にまで育て上げた宇都正行氏。宇都氏は現在、栄住産業の太陽光発電の管理に関する事業を移管した(株)イーエイチエルの代表取締役を務めている。

 もともと栄住産業は、75年9月に鹿児島市で創業し、76年2月に(有)栄住産業として設立したのが始まり。その後、本社を福岡市に移転し、89年2月に株式会社へと改組。九州全域に金属防水によるバルコニーの普及を計っていくなかで、金属防水加工「スカイプロムナード」や屋上庭園「OSORAリビング」などを世に送り出してきた。

 2020年3月には、同社の「スカイプロムナード」が、強くてしなやかな国づくりに貢献する活動に取り組む企業を表彰する「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」で最優秀賞を受賞。そうして企業価値を最高潮に高めたところで、宇都氏は栄住産業の経営を自身から手離れさせたわけだ。

 栄住産業の経営の第一線から退いて約3年──。24年7月には御年80歳を迎える宇都氏だが、78歳を過ぎたころから、自身の身体の衰えを実感せざるを得ない場面にたびたび遭遇するようになったという。

 「『俺はまだ頑張れる』という感覚は残っているのですが、自身が元気なときのイメージと、実際にできることとが乖離してきました。そう思うと、自身がまだ元気な3年前のタイミングで、栄住産業の経営をヤマエ久野さんに託すことができたのは、結果的にベストだったのかなと思います」(宇都氏)。

 自身が心血を注いで価値を高めてきた企業を、元気なうちにより大きなグループに託すことで、さらなる成長軌道へと乗せていく──。これも組織永続化の1つのかたちだといえるだろう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:宇都正行
所在地:福岡市東区箱崎1-8-26
天神office:福岡市中央区舞鶴1-2-33-5F
設 立:1990年9月
資本金:1,000万円
TEL:092-732-1075

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