自民・大家氏、福岡9区の公認得られず~撤退か無所属でも戦うのか
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自民党は9日、衆院選(15日公示、27日投開票)で、福岡9区(北九州市八幡西区など)から立候補を希望していた大家敏志参院議員を公認しないことを決めた。衆参両院間のくら替えを原則として禁じる党規約などを踏まえたもので、これにより福岡9区は自民の公認候補が不在となる。
福岡県連の原口剣生会長などが1日、自民党本部で森山裕幹事長や小泉進次郎選挙対策委員長らと面会して大家氏の公認を要請していたが、党執行部は従来の方針を変えなかった。
今回の決定の背景には、北九州政界をめぐる問題がある。昨年2月に行われた北九州市長選における推薦候補の敗北により、武内和久氏が市長に就任、9区は三原朝利市議、10区は大石仁人市議を応援すると表明している。自民県連や北九州市議団としては、北九州政界の主導権を奪還したいという考えがあった。大家氏は市長選で敗北した元国交省官僚の選対本部長を務めており、雪辱をはたす意味でも負けられない戦いとなっていた。
ところが、県連の後ろ盾である麻生太郎自民党最高顧問は武内氏とも近く、三原氏が意中の候補といわれており、大家氏のくら替えに反対してきた。森山幹事長は、廃止されていた最高顧問を復活させるなど、麻生氏に配慮してきたことで知られる。
また、自民党本部が直近で行った情勢調査では、福岡9区は現職の緒方林太郎氏が優勢だったという。同区は、官営八幡製鐵所(現・日本製鉄九州製鉄所)からの歴史もあり、民間労働組合運動が一定の影響力をもった旧民主党系の地盤といってよい。
勝つことが厳しいなら、公認候補は立てない。大家氏の非公認決定には、自民党本部のそうした打算的な判断が見え隠れする。なお、派閥の政治資金問題での非公認の基準についても、曖昧な面があり、事実上、小選挙区で勝つことが厳しいとみられる候補が、非公認になっていると指摘する声もある。
大家氏は支援者との会合が行われる11日までに進退を決めるという。自民党の一員として組織の決定に従うか、それとも無所属でも戦うのか、その判断に注目が集まっている。
【近藤将勝】
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