2024年11月23日( 土 )

「ジョブドラフトFes」福岡で開催 高校生と企業の未来をつなぐ場

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ
会場の様子
会場の様子

 10月4日、福岡市の博多国際展示場で、高校生向けの合同企業説明会「ジョブドラフトFes」が開催された。高卒者の売り手市場が続くなか、就職を希望する高校生と直接対話できる機会を求めて多くの企業が参加。一方の高校生たちも熱心に、各企業のブースを訪れていた。

国内最大級の高校生向け合同企業説明会

 「ジョブドラフトFes」は、高校生と企業が直接交流できる国内最大級の合同企業説明会。今年は過去最多となる全国6会場で開催される。大卒者向けの合同説明会は一般的だが、高校生向けのイベントはまだ少なく、就職活動を進める高校生にとって、企業と直接出会える貴重な場となっている。

 高校生の就職活動では、各学校に届く求人票を基に企業を選ぶのが一般的で、職場の「雰囲気」や「人間関係」といった文字だけではわからない情報を得るのが難しいという現状がある。こうしたなかで「ジョブドラフトFes」は、求人票では伝えきれない企業の魅力に高校生たちが触れることができるように、企業が自社を直接PRする貴重な機会を提供している。

鉄筋組立作業を体験する高校生
鉄筋組立作業を体験する高校生

    会場には、建設業、製造業、サービス業など31社がブースを設け、各企業と高校生が積極的に交流した。同イベントでは体験コーナーも設けられ、サッシの取り付け作業や作業用ハーネスの装着体験など、仕事の体験を通して職業理解を深める機会も提供されていた。参加したある高校生は「タイル張りが思ったよりうまくできて、楽しかった」と新しい業界への興味を示していた。

進路に迷う高校生へ貴重な選択肢を提供

説明を聞く高校生たち
説明を聞く高校生たち

    10月に開催される「ジョブドラフトFes」は、進路変更や2社目の応募を検討している高校生を主な対象としたイベントである。とくに卒業学年の高校生たちにとって、最終応募期に向けて企業と直接対話し、進路について再考する貴重な機会となる。

 一方の参加企業の担当者も、「若手人材の確保に向けて高卒採用は非常に重要だ」と強調し、「高校生と話すことで彼らの興味を把握し、企業が求める人材像を直接伝えることができる」と語るなど、イベントの大きな価値を認めていた。また、自らも高卒で入社したという企業の担当者は「幅広い職種を知ることで視野を広げてもらいたい」と、就職を希望する高校生たちにエールを送った。

高校生と企業のマッチングを支えるイベント

 「ジョブドラフトFes 2024」は今後、仙台、東京、名古屋でも開催される。高校生は、限られた情報や時間のなかで就職活動を進めざるを得ない状況が少なからずあり、その結果、就職先についての情報不足や理解不足が原因で、就職後に企業とのミスマッチを感じることも少なくない。このイベントを主催する(株)ジンジブは、企業と高校生が互いの理解を深め、ミスマッチの発生を防ぐための適切な進路選択を支援する貴重な場として、来年度以降も開催を続けていく方針だ。

【岩本願】

関連記事