2024年11月21日( 木 )

HappyLifeBioに業務停止命令 美容液の誇大広告と不明瞭な解約方法が特商法違反に

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 美容液のインターネット通販で過大な効果をうたうとともに、定期購入契約の解約方法を明確に表示しなかったとして、消費者庁は17日、通販会社の(株)HappyLifeBio(東京都東久留米市)に対し、特定商取引法違反により9カ月間の業務停止命令を出したと発表した。

特商法違反に問われた表示例(消費者庁の発表資料より)
特商法違反に問われた表示例
(消費者庁の発表資料より)

    同社はネット通販で美容液「ハダキララ」を販売する際に、今年5月22日から7月9日までの期間、ウェブサイトで事実と異なる過大な効果をうたっていた。

 具体的には、「シミが99.9%消える!!」「だから!10年以上悩み続けたシミも」「どんな人でも3日でシミが消える」などと表示。美容液を使用することでシミが消えて、2度とシミが生じない効果があるかのような宣伝を行っていた。

 しかし、同社から提出された表示を裏付ける資料は、合理的な根拠とは認められず、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示と判断された。

煩雑で複雑な解約方法

 ネット通販の申し込み最終確認画面の表示も不適切と判断された。美容液の定期購入契約について、解約方法が明確に表示されていなかった。

 申し込み最終確認画面では、「2回目の注文を休止・停止される際は初回の商品発送日から13日目よりマイページ・お問い合わせフォーム・メール・LINE・電話にて受け付けております」などと表示。また、休止・停止するためにはポイントをすべて使用し、残らないようにする必要があると説明していた。

 ところが、解約の窓口となる電話番号が明示されておらず、申し込み最終確認画面から遷移した先の「ご利用規約」では異なる解約条件がうたわれていた。

 電話で解約する場合、次回出荷予定日の10日前までに電話し、自動音声で案内される「その他のお問い合わせ」の番号を押して、別の電話番号にかけ直して仮受付を行い、同社からのメールを待つという煩雑な手続きを課していた。ポイントの消滅を請求する場合も、複雑な手続きが必要だった。

 特商法はネット通販の申し込み最終確認画面に、「分量」「販売価格」「申し込みの撤回・解除に関すること」など6項目の表示を義務づけているが、同社は解約方法を明確に表示していなかった。

同社代表に業務禁止命令

記者発表の様子(東京・霞が関、17日夕)
記者発表の様子(東京・霞が関、17日夕)

    PIO‐NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された同社に関する消費者相談は、これまでに合計8,076件に上る。男女別に見ると、女性が89.2%を占める。年代別では40代・50代・60代が多い。消費者庁によると、契約平均金額は約1万8,500円、既払平均金額は約5,400円という。

 消費者庁は同社に対し、10月17日から来年7月16日までの9カ月間、通販に関する業務の一部を停止するように命じた。同時に、原因究明の実施と再発防止策の構築などを指示した。

 これと合わせて、同社の藤井一良代表に対し、9カ月間の業務禁止命令を出した。藤井代表が違反行為の主導的な役割を担っていたと判断した。

【木村祐作】

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