無実の証拠隠ぺいする検察
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は日本の刑事司法制度の闇について論じた10月24日付の記事を紹介する。
袴田事件で殺人の罪に問われ死刑が確定した袴田巌氏は47年7カ月の期間にわたり確定死刑囚等として勾留された。その袴田氏に再審無罪が言い渡され、無罪が確定した。
裁判所は捜査当局の証拠の捏造を認定した。有罪認定の決め手とされた味噌製造工場の味噌タンクから発見されたとされる5着の衣類が、捜査当局による捏造と認定された。一審判決で証拠採用された1通の自白調書も捏造と認定された。5点の衣類の共布とされた証拠物も捏造と認定された。
警察が証拠を捏造して無実の袴田氏を殺人犯人に仕立て上げたと裁判所は認定した。10月23日には、38年前に福井市で女子中学生が殺害された事件で殺人の罪で服役した前川彰司氏について、名古屋高等裁判所金沢支部が再審(裁判のやり直し)を認める決定を示した。この事件では13年前にも再審を認める決定が出された。しかし、検察の異議申し立てを受けて再審開始が取り消された。前川氏の名誉回復に向けて検察の対応が焦点になる。
再審開始を認めた名古屋高等裁判所金沢支部は、有罪の証拠とされた目撃証言について、新たに検察から開示された証拠などを踏まえ「捜査に行き詰まった捜査機関が関係者に誘導などの不当な働きかけを行って証言が形成された疑いが払拭できず、信用できない」と判断した。目撃証言に含まれるテレビの歌番組に関する証言が事実と食い違う点が明らかにされたことが決め手になった。日本の警察・検察当局の実態の一部が浮かび上がる。
刑事訴訟法第一条に次の条文がある。
第一条 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
刑事事件について、事案の真相を明らかにして刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とするための法律であることが規定され、その際に公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うすることが定められている。しかし、現実はまったく異なる。証拠を捏造して無実の個人を犯罪者に仕立て上げることのどこに「事案の真相を明らかにする」「個人の基本的人権の保障を全うする」があるのか。真逆である。
※続きは10月24日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「無実の証拠隠ぺいする検察」で。
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