「大きな福祉のまちづくり」実現へ「想い」を伝え輪を広げる
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(株)スエナガ
障がい者と親に寄り添うサービスを提供
障がい者をもつ子どもの親が、自らの高齢化にともない子どもとの同居が難しくなったり、将来の子どもの暮らしに不安をもつケースが増えている。その受け皿の1つとして期待され、国や自治体が普及を進めているのが、「障がい者グループホーム」だ。複数の障がい者が一定の費用を負担して共同生活する場で、職員が常時滞在し、入居者である障がい者の暮らしを支援するのが特徴だ。
ただ、いまだ絶対数が不足し、入居待ちの人たちが多い。既存の施設では、地域の住宅(アパート・マンション・戸建など)を改装した、優れた住環境とは言い難いものもある。また、新設されたグループホームでも、サービス提供の質が低く、入居者とその親が安心できる環境ではないケースもある。
(株)スエナガは、福岡市の西部を中心に9カ所(11月に2カ所開設予定)の障がい者グループホーム「YOKATOKO」を建設、自社で運営を行っている。その特徴は、建物の仕様やサービス内容の高さだけでなく、入居者や親の気持ちにも寄り添ったサービスを行っていることだが、その事実を幅広く認知させ事業拡大につなげるのは難しいことだ。
そこで、同社ではグループホームの内覧会など各種イベントなどにおいて、同社の取り組みをわかりやすく伝えるための工夫を行っている。その1つが、社員やグループホームの職員による「語り部」の活動。彼らの経験や想いを自ら語ることで、グループホームのサービス内容や入居者の暮らしぶりについて、障がい者の親はもちろん、土地所有者や関係する事業者、そして地域の人々に訴えかけているのだ。その結果、ともすれば新設計画に地域の反発もある事業で、新規の施設開設がスムーズに行えるようになった。
動画コンテストにも注力
このほか、「動画コンテスト」の開催にも力を入れている。11月に開催される第2回目のコンテストでは対象を学生(高校生、専門学生、大学生)に限定し、全国から383人、162チームが参加する予定。「障がいがあるってどういうこと?」「私たちにできることってなんだろう?」など、自ら障がいについて学び考えた、小学生低学年向けの動画(1分間)を作成しプレゼンを行うものだ。
入賞作品は、福岡市教育委員会が学校の授業や家庭学習で使える動画を配信している「福岡TSUNAGARU Cloud」において、小学生向けの動画教材として掲載される。「大きな福祉のまちづくり」を事業コンセプトとするスエナガだが、このように学生や教育委員会など幅広い関係者を巻き込みながら、障がい者福祉における大きなネットワークを形成しようとしているのだ。
同社では「YOKATOKO」などの福祉施設を東区や、福岡市周辺部で計画しているが、その背景には福祉に関する想いが周囲に伝わり、同社への理解の輪が着実に広がっていることがある。
【田中直輝】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:出口洋一
所在地:福岡市城南区堤1-13-30
設 立:2014年7月
資本金:3,700万円
TEL:092-874-4545
URL:https://sda-suenaga.co.jp法人名
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