薬用歯磨きで「10秒で黄ばみが消えた」と表示 ネット通販のマーキュリーに業務停止命令
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十分な根拠がないにもかかわらず、「10秒で黄ばみが消えた!」などと広告し、薬用歯磨きを販売したとして、消費者庁は美容関連製品や健康食品のインターネット通販を行うマーキュリー(東京都渋谷区、浅川浩孝代表)に対し、特定商取引法違反により、3カ月間の業務停止命令を出したと発表した。
同社は、薬用歯磨き「o-dent Clear White(オーデントクリアホワイト)」をネット通販で展開。同製品は30g入りで、実質的に1,980円や980円で販売されていた。定期購入コースによる契約が多かったとみられる。
消費者庁の調べによると、同社は少なくとも今年1月13日から3月26日までの間、ランディングページで「10秒で黄ばみが消えた!……本当に10秒歯に塗るだけで歯が真っ白になったんです!」「つまり!オーデントを10秒塗るだけで 黄ばみを落とす 永久に白い歯をキープ」と表示していた。
また、少なくとも今年2月27日から7月9日までの間、ランディングページで「頑固な黄ばみが消えてモデル級の真っ白の歯に!!」「数十年へばりついた黄ばみも余裕で100%落として真っ白の歯に!」などとうたっていた。
これらの表示によって、同製品の使用により、歯の黄ばみを完全に除去し、白くする効能があるかのように宣伝していた。
同社代表に3カ月間の業務禁止命令
消費者庁は同社に対し、表示を裏付けるための合理的な根拠資料の提出を求めたが、提出されなかった。このため、表示内容は該当商品を実際よりも著しく優良であると誤認させるものとみなされ、特商法が禁止する「誇大広告」に当たると判断された。
消費者庁は同社に対し、11月1日から来年1月31日までの3カ月間、業務の一部を停止するよう命じた。これと合わせて、違法な表示を行った原因について調査・分析するとともに、再発防止策の構築、一般消費者への周知などを指示した。
業務停止命令に加えて、消費者庁は同社の浅川浩孝代表に対し、11月1日から来年1月31日までの3カ月間、業務禁止命令を出した。今回の違反行為で、主導的な役割をはたしたと判断された。
業務禁止命令により、たとえば新たに別法人を立ち上げるなどして、同様の業務を開始できなくなる。
消費者相談は合計4,231件
今年9月17日までにPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された同社に関する消費者相談は、合計4,231件に上る(2021年3月19日から今年8月31日までの受け付け)。年代別に見ると60代や50代の相談が多く、男女別ではほぼ半々の割合だった。
消費者庁によると、歯が白くならないために解約したい旨の相談が多いという。契約平均金額は約1万1,000円、既払平均金額は約2,000円と説明している。
取材に対し、同社は「今回の事態について厳粛に受け止めている。ただ、現在いただいた業務停止命令の内容を精査している」とコメントした。
【木村祐作】
法人名
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