24年地価調査・期待高まる天神の北回帰
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<天神の拡張>
明治通りを起点に期待高まる天神の北回帰天神エリアの上昇も顕著だ。とくに目立つのが、天神橋口交差点のミーナ天神こと「天神4-3-8外」(16.2%増)である。天神ロフトの移転が、「天神の北回帰だ」として注目を集めたことも記憶に新しい。今回の地価調査では平米単価587万円と県内3位の価格を付けたが、なお上昇率は16.2%増と高騰を続けている。価格2位の「天神2-5-17」は平米単価705万円だったが、上昇率は1.7%となっており、いつ順位が逆転してもおかしくない状況にある。
ミーナ天神に隣接する福岡中央郵便局およびイオンショッパーズ福岡では、段階的に再開発を進めていくプロジェクトもあるほか、那の津通り沿いの須崎公園では26年の全面供用開始を控え、再整備が佳境を迎えており、本格的な天神の北回帰が進んでいくかもしれない。同じく、北天神に位置する「天神3-6-18」(17.3%)も4年連続で2ケタ増、3年連続で15%超の上昇となっている。親不孝通り沿いのビルという特性上、コロナ禍では落ち込んだものの、以降は大幅な上昇を継続しており、平米単価は150万円を超えた。
また、長浜公園を挟んだ「舞鶴1-4-30」(16.2%増)も5年連続で2ケタ増、3年連続で15%超の上昇を継続している。なお、天神の北回帰とは趣旨がずれるが、より北側の「那の津4-8-11」(18.2%増)も大幅増を継続。臨港地区として開発規制がかかるものの、天神に近く、ポテンシャルを秘めたエリアだ。
開発続く天神の南方面 サンセルコも建替えか
天神の南側を越えたエリアでは、不動産取引が活発化している。「清川」「春吉」では、マンション用地の売買が頻繁に確認されており、分譲マンションや賃貸マンションの開発が相次いできた。ホテル用地やテナントビル、賃貸マンションの売買も多く、プレイヤーとしては県外業者が目立つ。それまで地場業者があまり目を向けてこなかったエリアだったが、「天神に近い」立地が再評価された格好となって久しく、天神エリアの地価上昇を押し上げる要因の1つとなっている。
「渡辺通1-12-9」は前回5.7%だった上昇率を大きく伸ばして、10.7%増と5年ぶりの2ケタ増。平米単価も300万円を超えた。同じく渡辺通1丁目のサンセルコビルでは、コロナ禍でストップしていた建替えの議論が再スタートしたと聞かれており、再開発が現実味を帯び出したようだ。地下鉄・七隈線の延伸が完了したこともあり、博多と南天神、薬院の要となる立地だけに、期待が高まる。近隣では、アライアンス(福岡市中央区)が分譲マンション・ミスモ薬院ネクスト(38戸)の開発に着手した。
「高砂2-6-23」(19.0%増)は、日赤通りに近い賃貸マンションで、4年連続で15%超の上昇を続けており、19年比で平米単価は倍以上となった。
(つづく)
【永上隼人】
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