2024年12月26日( 木 )

「グリーンサイト」のMCデータプラス(東京都)に公取委が排除措置命令

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 24日、公正取引委員会は(株)MCデータプラス(本社:東京都渋谷区)に対して、同社が提供する建設業向けクラウドサービス「グリーンサイト」で競争者妨害行為があったとして、排除措置命令を行ったことを発表した。

 同社は、建設業向けクラウドサービス「建設サイト・シリーズ」を提供する。主力サービスの「グリーンサイト」は、建設現場の元請と下請間でやり取りされる労務安全書類の電子管理を可能にしている。同社は2019年以降、この分野で業界シェア1位を占めている。

個人情報保護を理由にデータ移行の協力を拒否

 発表によると、ユーザーが「グリーンサイト」に登録した作業員情報を他社サービスに移行する際、合理的な理由なく提供を拒否して他社への切り替えを妨害していたとされる。

 作業員情報の登録は最大で100項目を超える場合があり、多くの作業員を抱える建設業者にとって大きな負担となる。このため、ユーザーが他社サービスへ切り替えを希望した際には、移行可能な形式で情報提供を要請することがあったが、同社は個人情報保護を理由にこれを拒否していた。

 また、同社は、ユーザーが出力した帳票を他社サービスに提供する行為を「サービス利用約款」に基づき一律に禁止し、他社サービスへの移行を妨げていた。これにより、シェルフィー(株)や(株)リバスタが提供する労務安全サービスへの移行が阻害されたとみられる。

公取委による排除措置命令

 上記行為を行っていた同社に対して公取委は、ユーザーから作業員情報の提供要請があった場合、合理的な理由なく拒否しないことや、サービス利用約款による移行妨害行為をやめることなどを含む排除措置命令を出した。

【寺村朋輝】

関連キーワード

関連記事