2025年01月08日( 水 )

2025年日本政治の課題

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「日本の主権者は、日本の主権者が主役の政治、日本の主権者の幸福を追求する政治の実現を真剣に考えなければならない」と訴えた1月1日付の記事を紹介する。

みなさま新年あけましておめでとうございます。2025年があけました。本年がみなさまにとって最良の一年になりますようお祈り申し上げます。

本ブログ、メルマガをご高読くださいましてありがとうございます。みなさまとともに本年もさまざまな事象を考えてまいりたく思います。なにとぞご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

一年の幕開けに際して「和顔愛語」という言葉をお贈りしたいと思います。和やかな顔、優しい言葉。世の中を少しでも明るくするために「和顔愛語」を心がけてゆきたいと思います。

経済の停滞が長く続くのに、政府は私たちに対する給付を切り刻み、私たちの負担を増大させることばかりに執心しています。しかし、本来、政府は私たちの意思で、私たちのために創設されるものです。これが十分に機能しているなら、私たちの意思に沿う、私たちの幸福を実現するための政府が創設されているはずです。それが、そのようになっていないこと。この現実を認識して、どうすれば、本来の姿につくり変えることができるのか。このことをよく考えて、その実現に向けて力を注いでゆくことが大事だと思います。微力ですが、みなさまとともに、より良い明日をつくるため、力を尽くしてまいりたく思います。本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

米国では主権者が選択してドナルド・トランプ氏を新しい大統領に選出した。バイデン大統領が大統領選への出馬を辞退して、公認候補がカマラ・ハリス氏に切り替えられた。民主党の大統領候補選出の際にはカマラ・ハリス氏に対して低い評価しか示さなかったメディアが手のひらを返してカマラ・ハリス氏を絶賛する報道を展開した。トランプ元大統領に対しては多くの訴訟が提起されていたこともあり、犯罪者呼ばわりする報道が圧倒的に多かった。日本の報道でもテレビ朝日「報道ステーション」司会の大越健介氏などはトランプ氏を貶める発言に終始していた。

ところが、米国民は新しい大統領にトランプ氏を選出した。トランプ氏が完ぺきな人間であるとは思われないが、米国民はメディアの情報誘導に流されずにトランプ氏を新しい大統領に選出した。その力は特筆に値する。

お隣の韓国では尹錫悦大統領に対する弾劾決議が議会で可決された。尹錫悦大統領が12月3日夜に、突然、非常戒厳を宣布したことが弾劾の理由。議会における弾劾決議を促したのは韓国民衆の強い抗議行動だった。韓国でも主権者である民衆が政治の変革を実現する強い力を発揮している。

これに対して日本では、主権者である民衆が自らの力で政権を刷新したことが僅かにしか存在しない。1955年に自民党が創設され、自民党が長期にわたり日本政治を支配し続けてきた。わずかに1993年に野党が結束して政権を樹立。自民が野党に転落した。また、2009年には鳩山由紀夫民主党が総選挙に大勝して政権刷新を実現した。1955年から本年で70年の時間が流れるが、この70年間に、たった2度しか政権の刷新は実現していない。

2024年は政治刷新の兆しが見えた年だった。自公の政権与党が衆議院で過半数を大幅に割り込んだ。野党が結束すれば新しい内閣を樹立することは可能だった。しかし、野党の結束は実現しなかった。

この日本で政治の刷新を実現できるのか。主権者である国民の幸福を追求する政権を樹立し、国民本位の政治を実現することができるのか。日本政治の真価が問われる一年になる。そのための方策を考察してゆきたいと思う。

※続きは1月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「2025年日本政治の課題」で。


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