【連載】コミュニティの自律経営 広太郎さんとジェットコースター人生(1)~はじめに
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元福岡市職員で、故・山崎広太郎元市長を政策秘書などの立場で支えてきた吉村慎一氏が、2024年7月に上梓した自伝『コミュニティの自律経営 広太郎さんとジェットコースター人生』(梓書院)。著者・吉村氏が、福岡市の成長時期に市長を務めた山崎氏との日々を振り返るだけでなく、福岡県知事選や九州大学の移転、アイランドシティの建設などの内幕や人間模様などについても語られている同書を、NetIBで連載していく。
はじめに
「コミュニティの自律経営」とは山崎広太郎市政が行政が目指すべき姿として掲げた目標である。そして今、僕は生まれ育ったまちの町内会長を人生の集大成と見定め、林住期の今を生きている。つくづく人生は人との出会いだと思う。後から考えれば、あたかも計画されていたかのような偶然の連鎖のようでもあった。市政から国政へ、大学院から再びの市政へ、さらには介護の世界へ。そして今、何かに導かれるように、僕の残された人生の道標として、広太郎さんのレガシー「コミュニティの自律経営」がここにある。これからの社会のありよう、進むべき道をじっくり語り合いたいところだったが、広太郎さんはあっという間もなく、逝ってしまった。追悼の意も込めて、副題は広太郎さんとジェットコースター人生とした。
本書の性格は、僕の「ビルドゥングスロマン」である。古稀を過ぎ、記憶も記録も怪しいところはお許しいただきたい。
第一章は、22歳から65歳までの職業人生をジェットコースター人生として捉え、点と点がどのようにつながっていったのか、たどってみた。点と点をフェーズで区切っている。まずは僕のビルドゥングスロマンを概観いただきたい。また、僕の歩みと社会の動きを整理して巻末の年表としたので、参照いただきたい。第二章は、山崎市政8年間のエポックメーキングなテーマに直接光を当て「山崎広太郎市政の挑戦」として、市長選公約を軸に、起・承・転・結に区分して概観した。第三章「福岡市のDNA改革」はその実践記録である修士論文『体験的NPM論~福岡市DNA改革の検証』を巻末の資料に納め、足らざるところを新たに書き下ろした。DNA改革をご存じない方は、できれば巻末資料に目を通したうえで読み進めていただければありがたい。第四章「コミュニティの自律経営」は書名にも取り上げた僕のジェットコースター人生の到達点であり、残された人生の道標でもある。山崎市政以降のコミュニティ政策の変遷を俯瞰し、僕の今の立ち位置を示した。第五章は、「もやい九州」の活動を取り上げたが、20年を超える活動のなかから、「東北三陸ツアー」を重点とした。第六章は、僕の人生の補助線となった、津屋崎、ドラッカー、広太郎塾の3つを取り上げた。締めくくりの第七章は、「妻の市役所人生大公開」を掲載させていただいている。第一章とともに読み合わせていただけるとありがたい。
<著者プロフィール>
吉村慎一(よしむら・しんいち)
1952年生まれ。福岡高校、中央大学法学部、九州大学大学院法学研究科卒業(2003年)。75年福岡市役所採用。94年同退職。衆議院議員政策担当秘書就任。99年福岡市役所選考採用。市長室行政経営推進担当課長、同経営補佐部長、議会事務局次長、中央区区政推進部長を務め、2013年3月定年退職。社会福祉法人暖家の丘事務長を経て、同法人理事。
香住ヶ丘6丁目3区町内会長/香住丘校区自治協議会事務局次長/&Reprentm特別顧問/防災士/一般社団法人コーチングプラットホーム 認定コーチ/全米NLP協会 マスタープラクティショナー
著書:『パブリックセクターの経済経営学』(共著、NTT出版03年)『コミュニティの自律経営 広太郎さんとジェットコースター人生』
著 者:吉村慎一
発 行:2024年7月31日
総ページ数:332
判サイズ:A5判
出 版:梓書院
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