2025年の中国経済の方向性(後)
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このほか、会議では消費の振興と投資収益の向上に力を入れ、国内需要を全方向的に拡大する必要があることが打ち出された。
今年に入ってから、大規模な設備の更新と消費財の買い換えの政策が持続的に効果を上げるのにともない、消費市場は大きく回復・好転した。「力を入れる」や「全方向的な」といった表現から期待されるのは、2025年の中国は内需の拡大においてより多くの着実かつ力強い政策パッケージを打ち出すことだ。
2つ目のシグナルは、改革の促進に努めることだ。
会議では、経済体制改革の牽引作用を発揮し、目安となる改革措置の実行と奏功を促進する必要があることが明確にされた。
先に「さらなる改革の全面的深化、中国式現代化の推進に関する中共中央の決定」が経済体制の改革について一連の政策・計画を打ち出しており、たとえば市場参入制限のより踏み込んだ撤廃、インフラの競争的分野についての経営主体に向けた公平な開放の推進、全国統一市場と公平な競争を妨害する各種の規定・手法の整理と撤廃、市場経済の基礎的制度の整備などがある。
今回の会議では目安となる改革措置の実施が効果を上げるよう推進することが要求され、これは中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の決定を実施する重要な意義であるだけでなく、中国経済の質の高い発展の実現を推進するうえでの必然的な要求でもある。
改革が青写真から現実に変わるのにともない、中国の市場環境はより公平な、より活力があるものとなり、国民経済の循環もよりスムーズなものになるだろう。
3つ目のシグナルは、リスクの予防に注力することだ。
中国経済は現在、中国内外の複雑な情勢に直面している。一方で、主要なエコノミーが相次いで金利引き下げ周期に入り、保護貿易主義、一国主義、地政学的衝突が交錯している。他方で、中国国内経済は構造調整のトランスフォーメーションという重要な時期にあり、発展が直面する困難と課題が増大している。
この状況のなか、会議では重点分野のリスクを効果的に予防し解消すること、システミック・リスクが発生しないとの最低ラインを着実に守り抜くことが明確に要求された。一部の持続的に警戒すべきリスクポイントについては、今回の会議でも明確に取り上げられた。たとえば「不動産市場・株式市場の安定のキープ」という会議での表現から、来年は中国が不動産市場の下げ止まりと安定回復、株式市場の安定的な運営を推進するうえでより多くの実質的な措置を打ち出すことが予想される。
(了)
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