米製薬大手ファイザーとアイルランド企業が合併
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2015年11月23日大手製薬メーカーファイザー社は、アイルランド製薬メーカーアラガン社と合併することで合意した事を発表した。2016年後半に合併手続きを終える見通しで、
製薬業界では世界最大規模の合併になる。尚、買収されるアラガン社が形式的にファイザー社を吸収して存続会社になる「逆さ合併」の形を取り、法的な本社は法人税率の低いアイルランドに置くため、実質的な法人税率は現行の約25%から約17~18%程度に下がる見通しだ。合併後の売上高は600億ドルを超え、圧倒的な首位の座を確立する。買収はアラガンの株主にアラガン株1株当り合併会社のファイザー株11.3株を割り当てる株式交換で行う。社名は「ファイザー」で、CEOは現ファイザーのリード氏が務める。事実上の本社機能は引き続きニューヨークに置く。
世界の製薬メーカーの売上高を見ると、2位、3位のノバルティス、ロシュ(両社ともスイス)が400億ドル超で、100億ドル超は21社ある。日本最大の武田薬品工業は約157億ドルで16位(2013年)と大差をつけられている。日本勢はバイオ医薬品などの最先端の新薬開発で出遅れ、欧米勢に比べて大型新薬の候補が少ないとの指摘もあり、一段の規模拡大や経営効率化が迫られていて、ベスト10は軒並み欧米各社が占めている。
ファイザーは世界屈指新薬メーカーではあるが、ジェネリックメーカーとの競争が激化している。しわ取り注射剤「ボトックス」やドライアイ治療薬など人気薬をそろえるアラガンを取り込み、合併後3年で20億ドル(2,400億)超の経費削減効果を見込んでいる。
現在のアメリカの製薬産業の隆盛は、1990年代後半、製薬産業を国策として捉え、税制優遇等を行い、現在のTPPにおける優位性を維持していることが影響している。
【酒井 満】
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