中国初のGDP5兆元(約106兆円)都市が誕生

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上海市 イメージ    中国で初めてGDPが5兆元(約106兆円)に達した都市が誕生した。それは上海市だ。

 1月15日に発表された同市の2025年政府活動報告によると、「2024年の上海市のGDP成長率は5%前後と予想され、都市経済の規模は5兆元を超える新たな段階に突入した」という。

 上海はなぜ初のGDP5兆元都市になることができたのか。上海は、国際金融センターとしてよく知られているが、実はこれだけではない。上海は国際経済センター、金融センター、貿易センター、水上輸送センター、科学技術イノベーションセンターの「5つのセンター」の重責も担っている。

 恵まれた地理的環境、しっかりした産業の基礎、深遠な文化の蓄積により、上海は中国最大の経済中心都市になり、新興のグローバル都市にもなった。直轄市と長江デルタ地域からなる世界的都市クラスターの中核都市として、長江と海に通じる上海には、人、モノ、資金が流れ込んでいる。

 上海にある外資系企業本社と外資系金融機関は全国最多だ。今や、上海にある多国籍企業の地域本社は1千ヶ所を超える。上述の活動報告によれば、24年に上海で新たに承認された多国籍企業地域本社は60カ所に上り、累計1016カ所に達した。外資系企業研究開発センターは30カ所が新たに承認され、累計591カ所になった。

 科学技術イノベーションの波のなか、上海は産業のモデル転換・高度化を持続的に推進し、集積回路、バイオ医薬品、人工知能(AI)など最先端の科学技術の研究開発を加速させている。これら3大先導的産業の規模は1兆8,000億元(約38兆円)に達し、経済の質の高い発展に新たな原動力をもたらした。

 深遠な歴史の蓄積、優れた地理的位置、最適化された産業構造、開放的・包摂的な文化的ムードおよび質の高い人材の集積による総合的な効果が作用し合う中、上海が中国初のGDP5兆元都市になったのは必然とも言えるだろう。

中国の対外資産規模が初めて10兆ドルの大台突破

 中国国家外貨管理局が2024年12月27日に発表したデータによると、2024年9月末現在、中国の対外資産残高は6月末比4.3%増の10兆2,129億ドル(約1587兆円)に達し、中国の対外資産の規模として初めて10兆ドルの大台を突破した。

 同期の対外負債残高は同3.3%増の7兆312億ドル、対外純資産(資産から負債を差し引いたもの)残高は同6.5%増の3兆1,817億ドルだった。

 同局はこの日、中国の今年第1~3四半期(1~9月)の国際収支表も発表した。そのデータによると、中国の経常項目の黒字は2,413億ドル、同期の国内総生産(GDP)に対する比率は1.8%で、合理的でバランスの取れた水準となった。

 具体的なデータを見ると、国際収支ベースの物品貿易の輸出額は前年同期比6%増、輸入額は同3%増となり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は同期の数字として過去最高を更新した。サービス貿易は輸出入ともに増加傾向を保ち、輸出は同12%増、輸入は同15%増だった。1~9月には、中国の各種の対外投資が安定的に増加し、金融機関の取引口座にある金融資産は3,149億ドル純増した。


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