パーソナルジム「かたぎり塾」で不適切な表示 景表法に基づく初の確約手続

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 パーソナルジム「かたぎり塾」の表示が景品表示法に違反する疑いがあるとして、消費者庁は2月26日、運営会社のcaname(株)(東京都渋谷区)に対し、事業者が自主的に表示を是正する「確約手続」を適用すると発表した。景表法に基づく確約手続は今回が初めて。

期限過ぎても値引き

消費者庁による記者発表(2月26日午後)
消費者庁による記者発表(2月26日午後)

    同社は、パーソナルジム「かたぎり塾」を直営店やフランチャイズ店として、北海道から九州まで全国展開している。

 消費者庁によると、2020年9月1日~24年7月31日の期間、自社ウェブサイトで、一定の期限内に無料体験を行い、その当日に入会した場合に限り、通常5万円の入会金を値引きするとうたっていた。

 たとえば、「さらに今なら7/31まで限定! 入会金30,000円OFF! 無料体験の当日にご入塾した方限定で 通常50,000円>20,000円(税込22,000円)」と表示していた。

 しかし、実際には、表示していた期限を過ぎても、無料体験の当日に入会すると値引きを行っていた疑いがあった。消費者庁では「この期限までならお得と誤認し、一般消費者は入会した(と疑われる)」(表示対策課)と説明している。

確約計画に返金措置も

「かたぎり塾」の表示例(発表資料より)
「かたぎり塾」の表示例(発表資料より)

 確約手続は、国と合意したうえで、事業者が自主的に表示を是正するという行政処分。法改正によって景表法に導入され、24年10月1日に施行された。

 確約手続の適用は、消費者庁が調査開始後に事業者へ通知し、事業者が60日以内に確約計画を申請、消費者庁が認定・公表するという流れで行われる。

 今回の事案について、消費者庁は今年2月3日に通知したと説明。「(確約計画には)たとえば、再発防止策を講じること、一般消費者に周知するようなことが含まれている。また、一般消費者に返金を行うことで、被害回復に資する内容を含んでいる。こうしたことから、措置の内容として十分と判断した。また、措置の内容ごとに実施期限を設けている。履行状況の報告も行うとしていて、措置実施の確実性を満たすと判断した」(同)という。

 取材に対し、同社はメールで「今回の事案の発生を真摯に受け止め、今後確約計画を誠実に履行し再発防止に努めてまいります」(広報担当)としている。

【木村祐作】

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