日本には行きたくない
フィリピンで日本語学校と介護資格を取得できる学校を12年経営しているAはジレンマに陥っている。当初は卒業生を介護士として日本の社会福祉法人へ送り出すのを狙ったビジネスモデルであった。
ところが、この4年で流れが大幅に変わった。日本はまったくベースアップがなされず、待遇・条件面ですっかり魅力を失ってしまった。卒業生たちからは「オーストラリアやドバイ(アラブ首長国連邦)などの中近東へ派遣してくれ」という要望が増加しているという。現在、派遣先の比率としては、日本が40%、前述の地域が60%で、待遇の差も月額30~45%の差が開いているという。
ベトナム人実習生のレベルダウン
ベトナムは中国に取って代わって世界の工場としての役割を担おうとする勢いがあり、世界の一流企業の工場進出が顕著であるという。その結果、ベトナムの若者たちも「海外に出稼ぎに行くような苦労はしたくない」という選択をする者が多くなってきた。その影響により日本行きを希望する研修生たちのレベルが落ちているという。
山口県内で20年近く技能実習生を受け入れてきた経営者は「本当に手取り足取り教えても覚えるのに時間がかかるようになった」と嘆いている。
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