福岡県行政に食い込んだ健康器具会社が博多駅前にもつ2つのビル

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 福岡県の助成事業「ケア・トランポリン運動」をめぐる汚職事件で、福岡県警は10日、別の年度の事業においても賄賂を受け取っていたとして元福岡県議会議員(中間市)の片岡誠二容疑者を再逮捕した。

 再逮捕容疑は、片岡容疑者が2023年度の県当初予算の審議で助成予算案が可決されるよう便宜を図り、その見返りに北九州市の健康器具会社「サンライフ」の代表から現金2,718万円を23年4月に受け取ったというもの。

 同じく贈賄の疑いで逮捕された「サンライフ」の代表は、釈放され、任意での捜査が続けられている。「サンライフ」は、自治体が運営する健康教室にケア・トランポリンを貸し出しており、県の補助金を受領する立場だった。片岡容疑者の妻が代表を務める不動産賃貸会社(福岡市)に対し、ケア・トランポリンの「販売促進」の名目で補助金の一部を支払う契約を書面で交わしていた。

 県警は商取引を装った贈収賄事件と判断。22年度の助成予算案の可決をめぐり、2,800万円の賄賂の授受があったとして、先月17日、片岡容疑者を収賄容疑で、サンライフ社長を贈賄容疑でそれぞれ逮捕していた。なお、福岡地検小倉支部は10日、この容疑については処分保留としている。

    行政への橋渡しをした県議への「見返り」の金額の多さにも驚くが、昨年10月、同社が博多駅から徒歩数分のオフィスビルを取得していたことも驚きだ。取得したのは、8階建のオフィスビル・歯臓ビル。同ビルに隣接するベルコモンズ博多も同社が保有している。

 博多駅から、中洲・キャナルシティ方向に歩いてすぐの一等地にビルを所有できるほど、トランポリン事業が好調だったのだろうが、その原資が公金であることはいうまでもない。

【近藤将勝】

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