福岡市早良区の高齢者施設でノロウイルス食中毒 第一食品事業所に営業停止処分
福岡市早良区の高齢者施設で提供された給食を原因とするノロウイルスによる食中毒が発生した。これにともない、福岡市保健所は17日、給食を提供していた(株)第一食品 ココファン福岡西新事業所に対し、2日間の営業停止処分を行った。なお、施設側は4月16日夕食分から営業を自粛していた。
発端は4月14日午前9時頃、福岡市保健所に「施設入所者が嘔吐や下痢等の食中毒様症状を呈している」との連絡が入ったことだった。調査の結果、18名の入所者が4月12日午後6時頃から嘔吐、下痢、発熱等の症状を訴え、このうち3名が医療機関を受診した。ただし重症者はおらず、全員快方に向かっている。
症状を呈した18名の内訳は、男性6名、女性12名で、年代別では60代1名、70代2名、80代7名、90代8名だった。施設の給食を摂取した人数は40名であり、発症率は約45%に達した。
福岡市保健環境研究所による検査では、有症者4名の便からノロウイルスが検出されたほか、調理従事者の便3検体のうち1検体からもノロウイルスが検出された。
原因となった施設は、福岡市早良区高取1-1-49号に所在する(株)第一食品 ココファン福岡西新事業所。問題となった給食は4月11日の夕食に提供されたもので、ごはん、鶏肉のレモン蒸し、里芋の煮っころがし、大根マヨサラダ、みそ汁が含まれていた。福岡市保健所は、以下の理由から当該施設の食事が原因のノロウイルス食中毒であると断定した。
なお、福岡市における食中毒発生状況を見ると、2024年には37件、患者数278人だったのに対し、25年は本件を除いてすでに11件、患者数180人に達しており、前年同時期と比較しても多発傾向にある。
福岡市は多発している食中毒を受けて、食中毒予防のために、調理従事者の健康管理、手洗いの徹底、調理器具等の洗浄・消毒の徹底、食材の十分な加熱といったことを呼び掛けている。
【寺村朋輝】