9日、九州旅客鉄道(株)(本社:福岡市博多区、古宮洋二代表)は2025年3月期の連結決算を発表した。それによると、売上高は4,543億9,300万円(前期比8.1%増)、営業利益は589億7,600万円(同25.2%増)、経常利益は595億7,100万円(同21.7%増)、当期純利益は436億5,700万円(同13.6%増)で、増収増益を達成した。
決算要因としては、運輸サービス、不動産・ホテル、流通・外食、建設、ビジネスサービスの全5セグメントが営業利益段階で前年を上回った。以下ではセグメント別に見る。
運輸サービスでは、観光キャンペーン「オフろう!」や新D&S列車「かんぱち・いちろく」の運行など観光誘致策に加え、チケットレス化や駅トイレ刷新など顧客利便性の向上策を展開し、営業収益は1,693億3,700万円(同3.4%増)、営業利益は121億8,600万円(同17.2%増)と堅調だった。
不動産・ホテル部門では、博多駅ビルを中心とするテナント収入の伸びに加え、分譲マンション「MJR千早ミッドスクエア」などの引き渡し、さらにホテル3社の経営統合による効率化が寄与。営業収益は1,434億1,200万円(同7.7%増)、営業利益は314億8,300万円(同26.9%増)と大幅増益となった。ただし、部門内の不動産販売業は営業収益328億9,900万円(同11.4%減)で、その他の不動産賃貸業:782億7,400万円(同10.6%増)とホテル業:322億3,900万円(同27.6%増)がカバーするかたちとなった。
流通・外食では、コンビニや飲食店の新規出店とメニュー強化が奏功し、営業収益は670億7,200万円(同8.6%増)、営業利益は34億8,200万円(同8.6%増)となった。
建設部門では、新幹線関連の官公庁工事に加え、九鉄ビルトなどの連結子会社化によって事業拡大が進み、営業収益は1,006億1,900万円(同11.7%増)、営業利益は73億6,000万円(同23.3%増)となった。
ビジネスサービスでは、建機レンタルや広告業などが好調で、営業収益は825億9,900万円(同5.9%増)、営業利益は52億6,000万円(同35.7%増)と、全セグメント中最大の伸び率を記録した。
来期(26年3月期)は、売上高4,833億円(前期比6.4%増)、営業利益676億円(同14.6%増)、経常利益659億円(同10.6%増)、純利益511億円(同17.0%増)を予想しており、引き続き増収増益を見込んでいる。
【寺村朋輝】