戸上電機製作所、25年3月期決算　主力製品の需要回復で2桁増益

　12日、（株）戸上電機製作所（本社：佐賀市、戸上信一代表）は2025年3月期の連結決算を発表した。それによると、売上高は276億4,800万円（前期比3.4％増）、営業利益は33億6,900万円（同25.1％増）、経常利益は35億9,000万円（同18.5％増）、当期純利益は23億9,300万円（同14.5％増）となり、増収増益を達成した。

　セグメント別にみると、主力の産業用配電機器事業について、まず電子制御器分野では、海外向け電磁開閉器の需要が一部落ち込んだものの、国内の電力会社向け配電自動化機器が堅調で、セグメント売上高は61億1,200万円（前期比2.3％増）となった。とくに次世代型システム導入や老朽設備の更新需要が追い風となった。また、波及事故防止装置（SOG開閉器）や配電用自動開閉器では、コスト上昇にともなう価格見直しも功を奏し、売上高は132億2,500万円（同8.5％増）に拡大。また、配電盤やシステム機器も定期メンテナンス需要などが支えとなり、売上高は39億2,500万円（同1.9％増）を記録した。

　次にプラスチック成形加工事業は、自動車業界向けの需要が回復し、売上高は30億2,500万円（同1.1％増）。金属加工事業では、産業用機械向け需要の低迷により12億1,600万円（同26.7％減）と減収だったが、その他事業では金型加工・ソフト開発需要が急拡大し、売上高は1億4,300万円（同138.8％増）となった。

　来期（26年3月期）は、売上高286億円（前期比3.4％増）、営業利益34億円（同0.9％増）、経常利益36億円（同0.3％増）、当期純利益26億3,000万円（同9.9％増）と、引き続き堅調な業績推移を見込んでいる。

【寺村朋輝】