日本製鉄(株)(東京都千代田区、今井正代表)は1日、連結子会社の黒崎播磨(株)(北九州市八幡西区、江川和宏代表)をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表、黒崎播磨も同日、それに賛同し、株主に対し公開買付けに応募することを推奨すると発表した。
日鉄は完全子会社化について、両社が上場企業、独立した経営を行っていることから技術情報の共有・経営資源の補完および相互活用などに一定の制約があるが、事業環境が厳しいなか、経営リソースのさらなる一体化・最適化が必須との認識を示す。黒崎播磨はインドや欧州、ブラジルなどで事業を展開しており、北米市場も視野に入れて海外事業の収益最大化を目指すとしている。また耐火物製品や耐火物整備作業における鉄源競争力の強化も図る。
日鉄は現在、黒崎播磨の46.42%の株式を保有している。TOBで全株式を取得できなかった場合、スクイーズアウト(少数株主への強制買い取り)を実施し、100%保有を目指す。TOBは2026年2月から開始し、公開買付価格は1株あたり4,200円。黒崎播磨の7月31日の終値に対して21.7%の上乗せ幅(プレミアム)をつけている。総取得額は約758億円となる。黒崎播磨は買付完了により上場廃止となる。
黒崎播磨は2000年に黒崎窯業(株)とハリマセラミック(株)が合併して誕生。黒崎窯業には1956年に当時の八幡製鐵(株)が資本参加。もう一方のハリマセラミックの前身はかつての日本製鐵(株)が50年に八幡製鐵など4社に分割されたうちの1社である播磨耐火煉瓦(株)。黒崎播磨は2019年に日鉄の連結子会社となっていた。
【茅野雅弘】
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