採用も広告も、すべては「誰に届けたいか」から

 当社では、のぼり・看板・ノベルティ・デジタルサイネージなど、幅広い広告ツールを取り扱い、提案していますが、「ターゲットが設定されていない」企業が非常に多いことに驚かされます。

採用も広告も、すべては「誰に届けたいか」から    合同説明会のブース装飾の打ち合わせで、「どんな学生にきてほしいですか?」とお聞きすると、無言になるご担当者も少なくありません。店舗の看板を提案する場面でも、「主なお客さまはどんな方ですか?」と聞くと、明確な答えが返ってこないことがよくあります。広告も採用もターゲットが明確でなければ、成果につながりません。極端な話、シニア層を呼び込みたいのに小さな文字で看板をつくっても、効果は出ませんよね。

 とくに採用では、明確なターゲット設計=「ペルソナ設計」が極めて重要です。ペルソナとは、自社が採用したい“理想の人物像”を明確に言語化する手法で、ミスマッチの防止や応募者の質の向上に大きく貢献します。

▼ペルソナ設計のステップ
①採用の目的を明確にする(例:リーダー候補を採りたい/カルチャーに合う人材がほしい)
②新卒市場の動向を把握する(売り手市場の継続、学生の価値観の変化、内定辞退率の上昇など)
③過去の採用データや社員の特性分析
④デモグラフィック(年齢・学歴・居住地など)、サイコグラフィック(性格・価値観)、ジオグラフィック(地理的要素)に分類して具体化
⑤名前をつけた架空の人物を作成して、よりリアルに設計

 当社では、ペルソナに「福岡大学 商学部3年・佐藤さん(21歳)」を設定しています。人と関わるのが好きで、福岡で長く働きたいという地元志向。アルバイトでリーダー経験もあり、将来の成長意欲も高い─このように明確にすることで、求人原稿や採用アプローチの方向性がはっきりします。さらにペルソナを設計した後は、「必須条件」と「希望条件」を整理することも大切です。

▼必須条件:最低限クリアしていてほしい条件(例:勤務地に通える、基本的なPCスキルがあるなど)
▼希望条件:あれば評価が上がる項目(例:留学経験、プレゼン経験、チーム活動の実績など)

 この2つを明確にしておくことで、選考の判断基準がぶれず、採用活動の効率化にもつながります。どんなに魅力的な求人票をつくっても、どれだけブースを装飾して目立たせても、「誰に向けたものか」が明確でなければ、成果は出ません。まずは「誰にきてほしいか」を社内で明確にすることが、採用の成功への第一歩です。

 まずは社内で「どんな人にきてほしいか」「どんな人物なら活躍できそうか」を話し合い、具体的にペルソナを設計することが重要です。そして、そのペルソナを基に、言葉・表現・媒体・デザインすべてを組み立てていくことで、“狙った人”に届く採用活動が可能になります。派手さよりも、まずは「ターゲット設計」という土台づくりから。それが、採用活動の成果を大きく左右する「最初の一手」です。


<プロフィール>
山本啓一

(やまもと・けいいち)
1973年生まれ。大学に5年在学し中退。フリーターを1年経験後、福岡で2年ほど芸人生活を送る。漫才・コントを学び舞台や数回テレビに出るがまったく売れずに引退。27歳で初就職し、過酷な飛び込み営業を経験。努力の末、入社3年後には社内トップとなる売上高1億円を達成。2004年、31歳でエンドライン(株)を創業。わずか2年半で年商1億2,000万円の会社に成長させる。「エッジの効いたアナログ販促」と「成果が見えるメディアサービス」でリアル店舗をモリアゲる「モリアゲアドバイザー」として、福岡を中心として全国にサービス展開中。

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