美容クリーム通販に処分 「シミ完全消滅」誇大広告で特商法違反

 10日、消費者庁は通信販売業者ASUNOBI(株)(東京都港区、代表取締役 武藤竜也)に対し、特定商取引法違反を理由として6カ月間の業務停止を命じたと発表した。処分期間は2025年9月10日から26年3月9日までで、業務停止命令のほか指示および代表者への業務禁止命令も含まれる。

 同社は美容クリームなどを取り扱い、ウェブサイト「purely-skin.com」上で「ピュアリースキン シルキータッチ モイスチャークリーム」を販売していた。

 違反内容は以下の通り。

1.誇大広告(優良誤認)
 商品の効能について、実際のものよりも著しく良好な効果を消費者に誤認させる表示。たとえば、「誰でも確実に7日でシミが完全消滅」「3日でシワがピーンと伸びる」「あんなに何を使ってもダメだったシミが1週間で消え去りました」など。

2.誇大広告(有利誤認・事実相違)
 商品の価格や販売条件について、「たった1,980円で高級シミケアが使える」「購入回数の縛りなし」「1回限り」などの表示をしながら、定期購入契約や複数回の購入義務、解約条件など、実際には制限がある内容を含む契約内容だったこと。

3.誤認表示(特定申込み手続きに関するもの)
 ウェブサイトやチャットボットを通じて申し込ませる過程で、定期購入契約などの契約内容の制約があるにも関わらず、初回費用のみを強調するなど、消費者が誤解しやすい表示がされていた。

消費者庁公表資料より
消費者庁公表資料より

 消費者庁はASUNOBIに対し、広告、申込み受付、契約締結など通信販売に関わる業務停止を命じた。さらに、法令遵守体制の整備や返金・解約対応の改善、再発防止策の徹底を指示し、25年1月10日から9月9日までに契約した消費者全員への処分内容の通知義務を課した。また、代表取締役・武藤竜也氏に対しても6カ月間の業務禁止を命じ、法人役員としての活動を制限した。

【松本悠子】

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