2016年のネット業界の行方は?(後)
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誰でも動画クリエーターになれる時代突入
膨大なデータのやり取りが容易になった昨今、ウェブ動画に対するニーズもますます高まってきている。福岡市の中央区役所では、広報担当職員をはじめ関係スタッフ約10人に対し、スマートフォン(以下、スマホ)を使って簡単に動画をつくる研修を実施している。中央区には天神地区があり、地域の魅力スポットを定期的にSNSで情報発信していくためのものだという。
これまで動画制作の分野は一部のクリエーターにしかできない特殊な技術とされてきた。そのため、1つのコンテンツをつくるのも高額で、そう簡単に手を出せるものではなかった。現在は、高画質なムービー機能が標準搭載されたスマホの普及により、撮影自体は女性にもわかりやすく身近なものとなってきている。動画の編集も無料のアプリが多数出回っていて、どれも使いやすく簡単で、容易に動画コンテンツを仕上げることができるようになった。
動画が身近になったことで、「AR(拡張現実)動画」の市場も徐々に盛り上がりを見せている。スマートフォンやタブレットのカメラに特定の印刷物をかざすと動画が流れ出すという、「QRコード」の進化系のような機能だが、最近では、AR動画を取り入れた紙媒体がひんぱんに見られるようになった。これまで紙媒体は「写真・絵」と「活字」という目から取り入れる情報のみで発信してきたが、AR動画技術が加わることで、視覚と聴覚に訴えることができる。現在、ARアプリで最もダウンロードされているのは、スターティアラボ(株)(本社:東京都新宿区)が2012年にリリースした「COCOAR2」だ。日本一と言っても、約60万ダウンロードで、まだまだ普及しているとは言い難い数字。しかし、簡単に少ない紙面スペースで、より多くの情報を詰め込むことできるAR動画サービスは、紙媒体の世界を変える可能性を秘めている。
社会情勢とともに隆盛するネット業界
インターネット業界の発展は、社会情勢の大きな潮流に乗って進歩し続けてきた。今から20年前の1995年、日本では阪神大震災や、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こり、国内が大混乱に陥った。同年秋には、マイクロソフト社がOSのwindows95をリリース。大災害時に固定電話などのインフラが全く使い物にならなかったことが教訓となり、「インターネット」が爆発的に普及した。そして、2001年、アメリカ同時多発テロが起きた年には、世界中から安否確認のためにブログ(weblog)が活躍した。さらに10年後の2011年、東日本大震災が発生。日本中から義援金やボランティアが集まったが、その呼びかけに使われたのがソーシャルネットワークサービス(SNS)だった。東日本大震災からまもなく5年となる2016年、天変地異や大事件は起きてほしくないが、インターネットサービスの革新には大いに期待してみたい。
(了)
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