時間はまだある 「不幸中の幸い」のアビスパ福岡

 2026年のJリーグ(日本プロサッカーリーグ)は、特別大会「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」として実施される。これは25シーズンまでの「春秋制」(2~12月)から、26~27シーズン以降の「秋春制」(8月〜翌6月)へ移行するための特別措置だ。

 具体的には26年シーズンの開催期間は2月〜6月となり、通常年の半分の期間となる。J1・J2・J3の全カテゴリーを通じて共通であり、カテゴリー間の昇格・降格は行われない。このことは監督更迭問題に揺れるアビスパ福岡(以下、クラブ)にとって、「不幸中の幸い」といえるのではないだろうか。

 クラブは長谷部茂利氏(20~24年)の契約満了にともない、25年は金明輝氏の指揮の下シーズンを戦い、12位(12勝14敗12分)の成績で終えた。順位は24年シーズンと同じであり、新体制だったことを考えればそれなりに健闘したとも見られる。

 しかし、26年1月5日に事態は急変。クラブはコンプライアンスに抵触する行為が確認されたとして、金氏との契約を解除した。金氏は21年に、パワーハラスメント問題でサガン鳥栖監督を更迭。その金氏のアビスパ福岡の監督就任には一部スポンサーやサポーターから強い拒絶反応が示されたこともあり、今回の事態はクラブ側の人選ミスだったのではないかとの指摘が多い。

 26年シーズンは当面の間、塚原真也ヘッドコーチが指揮を執ることになっている。シーズン突入間際の監督更迭というショッキングな出来事でもあるため、今後のクラブの行方について不安視する風潮がある。ただ、降格もあるシーズンに入る秋までにはまだ時間がある。

 特別大会の間に、得点力不足が指摘されるクラブの強化に適うような新監督を、塚原氏も含め人選を進めることができる余裕があるからだ。シーズン前の監督更迭という混乱を乗り越えて強化を図れるか、アビスパ福岡の動向が注目される。

【田中直輝】

関連記事