成長著しい中国のゲーム市場
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「オンラインゲームが中国の若者の時間の使い方を変えた」とまで言われるほどに成長した中国ゲーム業界。地方に帰る若者で行列ができる駅、遅延が常態化している空港で、若者が黙って座っていられるのは、「ゲームのおかげ」とされるぐらいだ。行列が解消されたのではなく、待ち時間の長さを感じない「暇つぶし」が提供されたからだ。
現在、中国のオンラインゲームの使用者は、4億人近いとされている。実際、中国国内で流通するソフトには「パクリ」と呼ばれるものも少なく、時折、「権利」を巡って問題になることも少なくない。一方「パクった後に、追加された『新規性』において優れている」というソフトも多く、「楽しく使えれば良い」と考える消費者は「パクリ+新規性」を歓迎し、中国ソフトを使用する傾向にある。中国国内では「三国の刃」「怪物弾珠」などが人気を集めている。
任天堂、ソニー、マイクロソフトなどの大手ゲーム機は、中国では輸入規制がなされていて、ゲームとしての普及は、スマートフォンやパソコンといった「オンラインゲーム」の方が促進されている。国内企業の「騰訊」などが積極的にゲーム産業にも乗り出している。
日本では、家庭用ビデオゲームと、ゲームセンターなどのゲームがシェアを占め、オンラインゲームは、家庭用ビデオゲーム市場の4分の1から5分の1とされている。オンラインゲームを扱う業者にも経営への許可が必要となっていて、ゲーム内容は、青少年保護の観点から、国家の文化部と広電総局(ラジオテレビ総局)の審査と許可が必要になる。内容によっては、未成年者の使用制限の警告付記などが条件となる。中国では、文化産業振興を重点施策として掲げているが、その中で、自国のゲーム産業を重視し始めている。海外製品の流入を防ぎ、自国産業を保護するだけではなく、オリジナルコンテンツの制作力を高めるようにシフトしている。
【杉本 尚丈】
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