世界で広がる香りビジネス:健康増進の切り札

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
 今回は、2月13日付の記事を紹介する。

イメージ    日本には香道という香りを楽しむ伝統文化があります。人間の五感の中で、最も敏感なのが嗅覚です。その嗅覚を刺激することで健康を増進し、免疫力も向上させようという発想が世界的に注目を集めています。レストランやホテルなどでもお客を呼び込み、リラックスさせることでビジネスに結び付けようとするビジネスモデルが生まれてきました。

 健康面からもローズマリーやペパーミントのような香りは覚醒度を高め、適度なコーヒー摂取は、眠気を誘発するアデノシンを遮断し、ドーパミンを刺激することで集中力を高めることが明らかになっています。有酸素運動や筋力トレーニングは脳への血流を増やし、炎症を抑え、海馬の成長を促進することで、記憶の定着に繋がることもあるようです。

 実は、軽度の脱水でさえ認知機能を低下させます。水、ハーブティー、電解質を多く含む飲み物は、神経伝達物質の機能を維持し、脳内の毒素を排出するわけですから、日常生活で水の摂取は欠かせません。そこに香りが加味されれば、「鬼に金棒」というわけです。

 現代のスピード感あふれる世界では、鋭い記憶力を維持することがこれまで以上に重要になっています。とはいえ、学生であれ、社会人であれ、あるいは年齢を重ねても精神的な敏捷性を保ちたいと考える人であれ、記憶力の向上に高価なサプリメントや複雑な脳トレーニングプログラムは必ずしも不可欠な要素ではありません。

 それよりも、伝統的なライフスタイルや科学的根拠のある自然な方法によって、認知機能を大きく高めることができます。シンプルなメソッドを日常習慣に取り入れることで、誰でも記憶力と精神の明瞭さを強化できることが科学的に検証されてきました。それの決め手が水と香りです。

 脳の約75%は水分で構成されており、先に述べたように、軽度の脱水でさえ、疲労、集中力の低下、記憶の抜けを引き起こす可能性があります。十分な水分摂取は、神経伝達物質の最適な機能を確保し、脳の健康を損なう可能性のある毒素の排出を助けます。ハーブティーや電解質を豊富に含む飲み物も、糖分の多い飲料の欠点をカバーしてくれるわけです。

 また、水分や香りに加えて、筋肉と同様ですが、脳も定期的な刺激から恩恵を受けます。パズル、読書、新しい言語の学習、楽器の演奏といった活動に取り組むことで、神経結合が強化されるからです。更に注目すべきは睡眠の重要性でしょう。

 質の高い睡眠は、記憶の保持に不可欠です。深い睡眠中に、脳はその日の情報を処理し、定着させます。慢性的な睡眠不足はこのプロセスを妨げ、物忘れや学習能力の低下につながることが危惧されるのです。一定の睡眠スケジュールを確立し、就寝前のスクリーン時間を減らし、心身ともに安らげる環境を整えることで、睡眠の質、ひいては記憶力を大きく改善できます。その際の睡眠導入効果が期待されているのが香りに他なりません。

 最近、マインドフルネスへの関心が高まっています。ストレス軽減に役立つとのこと。慢性的なストレスは、時間とともに海馬を損傷するホルモンであるコルチゾールで脳を満たします。瞑想や深呼吸といったマインドフルネスの実践は、ストレスレベルを下げ、集中力を高めてくれることも分かってきました。医学的な研究によれば、短時間であっても毎日の瞑想によって、ワーキングメモリや認知の柔軟性を向上させることが判明しているではありませんか。しかも、マインドフルネスにとって香りの補助効果は想像以上です。小生も、毎晩、就寝前にはユーカリとグレープフルーツの香りのエッセンスを嗅ぐようにしています。

 要は、脳の活性化や記憶力の向上にとって、即効的な手段に過度の期待をかけるべきではありません。それよりも、健康的な習慣によって脳を育むこと。なぜなら、適切な栄養、水分補給、運動、精神的刺激、睡眠、ストレス管理は相乗的に作用し、認知機能を最適化するからです。香りをはじめ、こうした自然な要素を取り込む健康維持戦略は、より強く、しなやかな心身への道をサポートしてくれるはず。

 シンプルで自然な方法を通じて脳の健康を維持することで、医薬品や外科手術的な治療に頼ることなく、認知能力の潜在力を最大限に引き出すことができます。その意味でも、香りは強力な味方となり、健康維持にとって有効な武器になるに違いありません。是非、お試しあれ!


著者:浜田和幸
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