エネルギーの地産地消で地域のみんなをハッピーに!(前)
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2016年はエネルギー大変革の始まりの年になる。今年4月からは最後の規制枠だった200V以下の電力が解放され、販売地域ごとに守られてきた、電力会社の“聖域”がすべて失われることになる。九州の電力は九州電力から買う。この構図が変化していく始まりの年となるのだ。
制度上、電力の自由化がなされたからといって、すぐに市民生活が変化するとは限らないが、自由に選べることが新たな競争、新たなサービス、新たな市場を生み出すことになるのは間違いないことだろう。これからは需要家それぞれが「どんな電力を買うか」を選ぶ時代がやってくるのだ。
そんな中、さまざまな企業が新たなサービスの展開に向けて試行錯誤を行っている。たとえば通信会社が通信料金とセットで電力を販売できないかと考えたり、ガス会社がガス料金と電気料金の一元化できないかと探ったりしているのである。需要家が望む電力サービスはどのようなものか。自由化を前にしてひとつの大きな試みがなされつつある。福岡県八女市にある太陽光発電設備設置工事業「(株)アズマ」の中島一嘉社長は、こう切り出した。
「八女市の面積の0.4%に太陽光発電パネルを設置すれば、市の電力を完全にまかない、余剰電力を生み出すことができます」
エネルギーの地産地消。地域で消費されるエネルギーはすべてその地域で生み出す。しかも環境悪化を招きにくい再生可能エネルギーでつくりだす。そのために必要な面積は、市のわずか0.4%でよい。中島社長はそう指摘し、言葉をつづけた。
「地域の人々がみんな、ハッピーになるエネルギーの生み出し方、使い方を提案していくことが私たちの使命だと考えています」(中島社長)アズマは1978年、八女市で“ソーラーのアズマ”として創業した。建築板金(金属板を加工して行う屋根工事)を通じての住宅設備で、当時のソーラーは太陽熱を利用した太陽光温水器を意味していた。
屋根上の住宅設備を得意とする地域の屋根の専門家として、地元八女市を中心に事業を展開。95年には、(有)アズマとして法人化する。屋根上の設備工事のノウハウを生かして、99年には太陽光発電設備の施工・販売に参入。固定価格買取制度(FIT)が始まる2012年の13年前だった。地域の屋根の専門家が地域住民の幸福のために太陽光パネルの普及に乗り出したのである。固定価格買取制度(FIT)が始まる前から地域のエネルギーのあり方、エネルギーと地域の関わり方に着目しての事業参入。先見の明があったということになる。
「建築板金は今も事業として手掛けております。その事業を通じて地域の皆様にハッピーを届けたい。その思いが太陽光発電設備に取り組んだきっかけです」(同)(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
(株)アズマ
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
代 表:中島 一嘉
創 業:1978年
設 立:2003年
TEL:0943-24-4001
FAX:0943-24-2421
URL:http://www.e-azuma.jp/関連キーワード
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