エネルギーの地産地消で地域のみんなをハッピーに!(後)
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太陽光発電に取り組む中島社長が目指しているのは、エネルギーの完全な自給自足。八女市の0.4%の面積を用いれば八女市のエネルギーは100%自給することができる。それだけでなく、地域のエネルギーを満たすことができたら、次はその余剰分でもっと広い地域を太陽光で生み出された電力でまかないたい。中島社長の夢は再生可能エネルギーによる電力の拡大にあるのだ。
「大規模な太陽光発電施設を設けることは、地域性を考えると八女市には適さないように感じます。八女市は農業が主幹産業です。農業は太陽とともにありますから、メガソーラーのような施設で太陽光を活用すると農業に影響を与えることが考えられるからです。私たちは屋根上設置型の太陽光発電設備の普及を中心軸に、エネルギーの地産地消を考えています」(中島社長)
現在、八女市に設置されている太陽光発電パネルは約2万3,000kW。年間発電量は約2,470万kWh(推定)となる。八女市で必要とされる電力は年間1億3,710万kWhだ。17~18%程度が太陽光でまかなえていることになる。これを100%まで持っていくのが中島社長の目標だ。
「八女市は宅地が市全体の3%を占めています。ここを活用することで太陽光によるエネルギーの地産地消は可能です。もちろん、完全に地産地消するためには蓄電設備の設置も行わなくてはなりません。市民一人ひとりが電力の供給家になり、地域のエネルギーをつくり、消費する。今は太陽光発電施設の普及を主軸に考えていますが、この理念を市内の皆さまが共有してくだされば、八女市は自給自足の仕組みを生み出すことが十分にできると考えています」(同)
主力は屋根の上での発電だが、休耕田や山林などでも太陽光に適するならば活用したい考えだ。また、風力発電など、太陽光以外の再生可能エネルギーでの発電も行っていきたいとしている。
「私たちの試算では100%自給自足できれば直接雇用で1,370人程度、総雇用で2,010人程度の雇用創出を見込んでいます。雇用機会の発生、売電収入で市の皆さまの幸福に貢献したいと考えています」(同)
2015年には関連企業と「アズマックス」グループを結成し、八女市のエネルギー地産地消に取り組む体勢を整えた。また、将来的には新電力(PPS)として地域への電力供給も手掛けていきたいと中島社長は語る。
「これから電力の需給の仕組みがどんどん変わっていきます。エネルギーの地産地消、そしてその恩恵を地域の方々が享受できる社会することも十分に可能です。電力を通じて地域のみんなをハッピーにしたいですね」(同)
地域でエネルギーをつくり、消費する社会は実現できる。再生可能エネルギーが普及することは、日本で消費される化石燃料の量を減らすこと、つまり海外への富の流出を防ぐことにもつながる。地域単位でみれば、電力会社に出ていっていたお金が地域で流通するようになるきっかけにもなるのだ。地域のみんなをハッピーに。この言葉には将来の日本の電力のあり方のひとつの形が示されているように感じられる。
(了)
【柳 茂嘉】<COMPANY INFORMATION>
(株)アズマ
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
代 表:中島 一嘉
創 業:1978年
設 立:2003年
TEL:0943-24-4001
FAX:0943-24-2421
URL:http://www.e-azuma.jp/関連キーワード
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