福岡・熊本・沖縄を原動力に初の中計 GLC GROUP、プライム上場・時価総額1,000億円へ
GLC GROUP(株)
代表取締役長 グループCEO
髙村隼人 氏
「LIBTH」シリーズの賃貸マンション開発を手がけるGLC GROUP(株)(東証スタンダード)は2月、2028年までの中期経営計画を発表した。福岡、熊本、沖縄を中心に事業を展開する同社の髙村隼人社長に、熊本エリアの今後の展望と、中期経営計画における熊本の位置づけについて話を聞いた。
熊本・菊陽エリア
中長期で伸びる市場
代表取締役長 グループCEO
髙村隼人 氏
──創業の地・熊本での今後の方針について、お聞かせください。
髙村 熊本は当社の重要拠点の1つ。人口動態を見ながら、厳選した用地選定がより求められますが、水前寺などの市内中心部での開発は引き続き行っていきたいと考えています。また、半導体大手の進出で活気づく菊陽町などの熊本県中北部は、依然として有望エリアであると認識しています。
──菊陽町では、大型物件の開発も手がけられました。
髙村 菊陽町の地価は、半導体大手の進出が発表されて以降、大きく上昇しました。当社では2023年以降、菊陽エリアで累計9棟、総供給戸数約500戸の賃貸マンションの開発を行いました。26年3月には新たにLIBTH菊陽Ⅲ(15階建・70戸)が竣工します。TSMC第2工場の建設や半導体関連の大型投資が進んでいることから、中長期的なスパンで今後も伸びる市場であると見ています。
初の中計・プライム上場と
時価総額1,000 億円
──25年12月期は、大幅増収増益をはたした前期の伸びをさらに上回る、売上高245億円(前期比43.1%増)、営業利益25億円(同66.7%増)を計上しました。また、同決算発表と同時に、28年12月期までの中期経営計画を発表しました。
髙村 「プライム上場を果たし、時価総額1,000億を実現。その先の、日本を代表する企業へ。」これをビジョンに掲げました。中計は、ビジョン実現に向けた第一歩であり、私自身の覚悟そのものでもあります。足元の業績が好調な今、あえて高い目標を公言する必要はないのかもしれません。しかし、明確な旗印を掲げることで、組織の思考は「できるかどうか」から、「どうやって達成するか」へと変化していくはずです。すでに、社内では変化も見られ始めています。プライム上場には、流通株式比率35%以上、流通株式時価総額100億円以上などといった形式的要件があります。こうした形式的要件のクリア、さらに時価総額1,000億円の実現は、日本を代表する企業への通過点ではありますが、企業としての基盤をさらに強固にするために欠かせないものだと捉えています。
九州モデルを東京展開へ
ゼネコン化・ホテル開発も
──中計では、「東京進出」「ゼネコン化」「ホテル開発」という3つの新戦略が掲げられました。
髙村 24年に東京地場の不動産会社・(株)デベロップデザインを子会社化し、東京展開の基盤を整えてきました。すでに今年7月の着工予定で、東京第1弾の「LIBTH」マンション開発プロジェクトが始動しており、現時点(3月初旬時点)で、3物件の用地仕入契約が完了しております。東京で安定的な用地取得・開発を継続し、事業基盤のさらなる拡大を目指す方針ですが、中計の目標売上高・利益の80%以上は福岡・熊本・沖縄の既存3エリアにて創出するもので、3エリアの着実な伸長が重要です。
当社の強みは、用地仕入から設計・建築・賃貸仲介管理・売買仲介までをワンストップで行う「不動産SPAモデル」です。建設機能を内製化することで、適正価格かつ迅速な開発が可能となりました。東京も早期に、九州エリアと同規模の供給体制としていくことがまずは重要です。そのためにも、建設有資格者の積極採用を続け、28年までに前期末から2倍となる80名まで増員していく計画です。
──「ゼネコン化」では、外部受注の開始を行うとあります。
髙村 ありがたいことに、施工依頼をいただく機会も多いのですが、自社物件だけで手一杯の状況で、お断りせざるを得ないのが現状です。自社物件の仕入状況次第ではありますが、建設有資格者の積極採用により、全体の20~30%を他社からの受注で構成できる体制へ、ゼネコン機能の拡張を目指しています。スケールメリットを今以上に創出するために、賃貸マンションに近い分譲マンションの建築などを受注していければと考えています。
建設有資格者の採用は、当社に限らず簡単ではありませんが、当社の働く環境は建設業界トップレベルだと自負しております。また、私自身も採用チームと日ごろから連携を取り、採用強化を推し進めてまいります。
──「ホテル開発」では、集客もオペレーションも内製化するとあります。
髙村 ホテル運営はM&Aも検討しましたが、ホテル事業単体の急激な拡大を図っているわけではありませんし、自社でイチからスタートアップしたほうが早いと判断しました。すでに、今夏開業予定で那覇市に42室、来冬開業予定で福岡市に78室のホテル開発を進めているところです。開業後は、トラックレコードを積んだうえで投資家に売却しますが、オペレーションは当社が継続して行うことで、ストック収益の拡大も期待しています。
──既存事業の拡張や新規事業に加え、プライム上場を見据えた戦略など、大きく変化する3年間となりそうです。
髙村 すでに申し上げた通り、熊本に加え、福岡・沖縄の3エリアが当社の最重要拠点であることに変わりはありません。3エリアの着実な伸長がすべてのベースであり、そのうえに中計で掲げた「東京進出」「ゼネコン化」「ホテル開発」という3つの新戦略があります。おっしゃるように、社内体制にも大きな変化が求められます。成長を実現するためには、組織に一定の負荷をかける場面も出てくるでしょう。今回掲げた大きく具体的なビジョンには、私自身の覚悟と熱量を込めたつもりです。これまで以上に私が率先して現場を引っ張り、この3年間でGLCグループを圧倒的に飛躍させてまいります。
【永上隼人】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:髙村隼人
移転後:福岡市博多区博多駅前3-4-1
設 立:2008年6月
資本金:6,970万5,800円
TEL:092-471-4123
URL:https://www.goodlife-c.co.jp
<プロフィール>
1979年9月生まれ。(株)熊本シティエフエム、(株)多々良を経て、2008年6月に(株)水前寺不動産(現・GLC GROUP(株))を設立し、代表取締役社長に就任。17年12月に本社を福岡市に移転。18年12月に東京証券取引所JASDAQ市場へ上場し、新市場区分への移行にともない、22年4月から東証スタンダードに。

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