閉鎖して困るのは地域住民~大阪北逓信病院
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日本郵政(本社:東京都千代田区、西室泰三代表)は、赤字経営が続く病院事業を合理化するため、全国11カ所で運営している逓信病院の事業譲渡等を進めているが、16年3月末で、大阪北逓信病院(大阪市北区、本間仁院長)を閉鎖することになった。
閉鎖の理由は「経営赤字と建物の老朽化」。同病院に問い合わせたところ、「病床数が少ないことが経営赤字を招いた大きな要因だった」と語る。病床数は、一般病床73床。すでに22床は休診中となっていた。同病院は、肛門科に定評があり、これを頼りにする利用者も多かった。また小児科においては予防接種などで来院する児童も多く、保護者からの信頼もあつかった。現在の患者は医師の転院先へ紹介することになるが、地域のかかりつけ医としての役割を担っていただけに、遠方の病院への通院に、戸惑う利用者も出てきそうだ。診療科によっては1月以内に閉鎖するところもあり、手術、入院は2月まで。小児科については3月末まで診療を行い、最後まで利用者に応える。
日本郵政は15年3月に3病院を民間に事業譲渡している。「閉鎖も事業譲渡も、その地域の医療システムへの影響を考えると、日本郵政の一存で決められるものではない」と、同広報部。今回については事業譲渡先もなかったことから、廃院する運びとなった。今後も逓信病院の規模縮小が行われるなか、「福岡逓信病院については、今のところ事業停止の要因はなく、引き続き運営を持続していく」(日本郵政広報部)。
ただ福岡逓信病院も老朽化していることはだれの目にも明らか。福岡市中央区薬院という好立地にあるだけに、その行く末が気にかかる。計画にあたっては第一に、「どうすれば地域住民の為になるか」ということを忘れないでいて欲しい。
【黒岩 理恵子】
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