NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は5月20日の記事を紹介する。
米トランプ大統領の9年ぶりの訪中に米国からは大手有力企業トップが同行。半導体や航空機売り込みに注力。ボーイングは750機と言われていたが、200機の契約がまとまったという。さらに中国の年2,500万トンの米国産大豆の購入も動き出す見込みだ。直前に参加が決まったエヌビディアのジェンスン・フアンの中国との半導体ビジネスも動き出す可能性がある。
首脳会談に同行した主な米企業は下記で、今後米中のビジネス拡大が予想される。
アップル、ブラックストーン、ボーイング、カーギル、シティグループ、GEエアロスペース、ゴールドマン・サックス、マイクロン・テクノロジー、エヌビディア、クアルコム、テスラ、ビザ。
日本は高市首相の台湾問題発言以来、とくに日中経済関係が冷え込んでいる。日本も早急に日中関係打開に乗り出さねば、米国のみならずEUにも漁夫の利を占められると危惧される。政官財の早急なる日中関係改善が望まれる次第だ。
高市首相はベトナム、豪州、さらに韓国を訪問し、関係強化に乗り出しているが、日本の最大の貿易相手国の中国との関係改善に尽力することこそ肝心であろう。
米国のデータ拠点拡大で、AI特需が台湾、韓国に集中している。1~3月の輸出額は5割増でAI先端品がけん引している。
1~3月の輸出額は中国9,774億ドル(前年同期比14.7%増)、韓国2,198億ドル(37.8%増)台湾1,957億ドル(51.1%増)、日本1,900億ドル(8.4%増)、ベトナム1,229億ドル(19.1%増)、タイ961億ドル(17.6%増)で日本は、中国、韓国、台湾にも輸出額で抜かれ、そのうち、ベトナムにも抜かれそうで、輸出の低落がはなはだしい。
かつて1990年代には米国に肉薄。輸出で1~2位を争っていた日本の衰退が目立つ。
今回、ドナルド・トランプ大統領は9年ぶりの首脳会談だったが、米中貿易拡大を討議、関税引き下げなどでさらに米中貿易を拡大することになった。
ベッセント財務長官によると、米中関税で悪化の貿易関係修復を目指し、「貿易委員会」と「投資委員会」を設置し、米中貿易、投資の促進に尽力する由。
さらに米中貿易関税の引き下げにも努力することで合意した。しかし台湾問題に関しての交渉は行われなかったという。トランプ大統領は習近平主席を9月24日に米国に招待した。9月にさらなる米中首脳会談が米国で行われる。経緯の注視が肝要だ。
<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。








