優先課題は高市内閣暴走阻止

政治経済学者 植草一秀

 11月27日(金)の午後2時半より衆議院第一議員会館第一会議室において対話集会を開催する。主催は「ガーベラの風」(オールジャパン平和と共生)https://www.alljapan25.com/。対話集会のタイトルは「真正野党結集に向けての対話の集い」。

 現在の政治権力に正面から対峙する「真正野党」が弱体化している。「中道」の名の下に与党にすり寄る「ゆ党」が拡大し、与党に正面から対峙する「真の野党」が弱体化している。

 重要政策は足して2で割って決まらない。「戦争をしない」と「戦争をする」を足して2で割れない。「原発をやめる」と「原発を推進する」も足して2で割れない。「弱肉強食を推進する」と「格差を是正する」も足して2で割れない。そもそもの根本は米国に隷属するのか否か。「米国に隷属する」と「米国から自立する」も足して2で割れない。

 「中道」は「口実」で単に権力にすり寄るだけのもの。代表例が国民民主だ。かねてより、国民民主は「与党になりたい症候群」に罹患しているだけだと指摘してきたが、その傾向が鮮明になっている。

 2024年総選挙で与党が衆院過半数割れに転落した際、野党が結束すれば消費税減税を衆院で成立できた。これを潰したのも国民民主。選挙の際には消費税減税を掲げながら選挙が終わると消費税減税を封印して、意味のない「103万円の壁」騒動にすり替えた。結局、差し引き増税しか決まらなかった。

 高市内閣は「政治とカネ」問題を放り投げて「定数削減」にすり替え。しかも、その内容は比例定数の削減という我田引水。民意とかけ離れた議席配分を是正するには小選挙区を減らして比例代表を増やさねばならないところ、自分に有利な選挙制度改変を提案。与党は参院で過半数を確保していないから野党が結束すれば定数削減を否決できるのに国民民主が与党にすり寄った。虫唾が走るとはこのことを言う。
 国民民主が代表事例だが、野党のゆ党化が進行している。ゆ党とは見た目は野党、中身は与党のこと。「さいていだ」。このなかで「真正野党」が絶滅の危機に直面している。いま日本に必要なのは「ゆ党」ではなく「や党」。本当の野党が必要不可欠だ。

 対米自立を果たす。戦争をしない、させない。原発を廃止する。格差是正を図る。これを基本とする「真正野党」が強く求められている。日本共産党、社会民主党、いのちの党、そして、旧立憲民主党の一部の人々。このなかから「ゴリラ」が産声を上げた。これが「真正野党」の各会派である。

 現行の選挙制度では当選者が1人しか出ない選挙の比重が高い。議席配分に民意を正確に反映するには全議席を比例代表で選出するのが適正だ。選挙制度改革に全力を挙げる必要がある。しかし、制度変更のハードルは高い。まずは、現行制度のなかで「真正野党」の議席を増やさなければならない。

 そのためには「真正野党」の結集が必要不可欠。各勢力の代表者による対話集会を開催したい。会場の定員が少ないため、事前申し込み制とさせていただく。

 参加希望の方は
info@alljapan25.com
まで、氏名、よみがな、電話番号を明記の上、お申し込みを賜りたい。先着順で受付をさせていただく。

 現在の状況は17年と類似する部分がある。17年、安倍政治を終了させることが大きな課題になった。このなかで、「希望の党」創設の動きがあった。民進党の前原誠司氏が小池百合子氏に接近。民進党が丸ごと希望の党に合流するかの動きが本格化した。

 まずは安倍政治を終焉させることを目的に大同団結=呉越同舟することも選択肢の一つとは考えられた。安倍政治を終わらせるには手段を選ばずとの考え方もあり得たと言える。しかし、その「大同団結」=「呉越同舟」シナリオを「希望の党」自身が破壊した。

 合流に際して「踏み絵」を用意した。「安保法制を認める」ことが入党の条件とされた。この結果、民進党は分裂。立憲民主党が誕生した。「真正野党」を求める主権者は立憲民主党を支持。その結果、立憲民主党が野党第一党に躍進したのである。

 いま、高市暴政の加速が懸念されている。比例代表選挙で37%の得票率しか得ていない自民党。全有権者を分母にすれば自民党の得票率は20%だった。それにもかかわらず、衆議院議席の68%を占有した。この議席をかさに着て憲法破壊を進めようとしている。社会保障支出を切り込む一方で軍事支出を2倍、3倍に増やそうとしている。このまま高市内閣の暴走を許せば、取り返しのつかないことになる。

 JNN(TBS系)の世論調査は極めて疑わしい。権力と癒着するメディアが情報工作活動を強めているように見える。現状を踏まえれば、まずは高市内閣を退場させることを優先しなければならないとの声も生まれる。呉越同舟でもいいから、まずは、高市包囲網を形成するべきとの声もある。しかし、基本政策を共有しない勢力の連携は脆いだろう。

 17年は結集する前に分裂・崩壊した。だが、日本改変を目論む米国の巨大資本は高市内閣を利用して、日本を米軍の指揮下に完全に組み込む「日本改造」を断行しようとしているように見える。メディア総動員もその表れだろう。その意味では、反高市連盟の結成を一概に否定できるものではない。

 「真正野党の結集」がまずは重要で、「真正野党」が絶滅することを絶対阻止しなければならない。まずは「真正野党」勢力の結集、あるいは、連携が必要不可欠だ。いっぺんに一つの党になることは容易でないと考えられる。そこは無理をせず、基本政策を共有する市民と政治勢力の連帯、連携を求めるしかない。その上で、現下の緊急事態にどう対応するのかを考える必要がある。

 政治権力の甘い蜜に群がる「ゆ党」は問題外。しかし、自民党内部にさえ、高市内閣の暴走を危惧する健全な声が皆無というわけではない。広く反高市勢力の結集を図ることも必要な場面が生じる可能性はある。

 日本政治はいま重大な局面を迎えている。この危機を打破するために必要な最優先課題は「真正野党の結集」である。「真正野党」の志ある代表者に参画してもらって事態を打開するための方策を検討する機会にしたいと考える。民意とかけ離れた議席配分を生んでいる現行の選挙制度が問題視されるなかで、問題をさらに悪い方向に誘導する議員定数削減法案が審議されていることも重要テーマとして取り上げたいと思う。日本の主権者全員に問題提起をしていきたい。


<プロフィール>
植草一秀
(うえくさ・かずひで)
1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ(株)代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。経済金融情勢分析情報誌刊行の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」で多数の読者を獲得している。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門第1位。2002年度第23回石橋湛山賞(『現代日本経済政策論』岩波書店)受賞。著書多数。
HP:https://uekusa-tri.co.jp
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