高島市政16年の福岡再開発(後)

いよいよ終盤戦の博多コネクティッド

 天神ビッグバンと並ぶ福岡市主導の都心部プロジェクトが、19年1月に始動した「博多コネクティッド」だ。博多駅から半径約500m、約80haを対象エリアに、容積率などの規制緩和や国の金融支援・税制優遇によって、耐震性の高い先進的なビルへの建替えを促すとともに、交通基盤の拡充などで都市機能の向上を図る。天神BBBと同様の建替え促進インセンティブ「博多コネクティッドボーナス」(以下、博多CB)も設けられており、基本的には博多版“ビッグバン”といって差し支えない。市の当初の目標は28年末までに20棟の建替えで、達成時の10年間の建設投資効果は約2,600億円、建替え完了後には年間約5,000億円の経済効果を見込んでいた。

 だが、進捗は目標を大きく上回っている。市によると、19年1月から26年3月末までの建築確認申請数は35棟、竣工棟数は30棟に達し、28年末までに約35棟の建替えが予定されている。なお、博多CBの認定を受けて竣工・建設が進むプロジェクトは、現在までに5つある。

博多イーストテラス、コネクトスクエア博多、中央日土地博多駅前ビル

 1つ目は「博多イーストテラス」(22年8月竣工)である。NTT都市開発(株)と大成建設(株)が旧博多スターレーン跡地で開発した地上10階建のビルで、博多駅周辺地区最大級の広場(公開空地)を整備し、博多まちづくり推進協議会など地域と連携したイベント開催による賑わい創出の拠点となっている。2つ目の「コネクトスクエア博多」(24年3月竣工)は、JR九州(株)、福岡地所(株)、(株)麻生が博多駅東一丁目で開発した地上12階建のビル。自然換気通風ユニットや非接触エレベーターなど「感染症対応シティ」への対応と、筑紫口中央通りに広く面した公開空地による賑わい創出、福岡産木材の利用や屋上太陽光発電による環境配慮を備える。3つ目の「中央日土地博多駅前ビル」(25年6月竣工)は、中央日本土地建物(株)による地上13階・地下2階建の免震オフィスビルで、従前の「YJカード本社ビル」の地下部~地上2階の躯体を再利用し、解体時・新築時のCO2排出を大幅に削減した環境配慮型計画である。太陽光発電設備と再エネ由来電力100%の導入、四季を感じさせる樹木や花、パブリックアートの設置も特徴となっている。

 4つ目は博多コネクティッドの目玉の1つといえる、西日本シティ銀行本店本館ビルの建替えプロジェクト「西日本シティビル」(26年3月竣工)である。特定目的会社Walk((株)西日本シティ銀行と福岡地所が出資)による地上14階・地下4階建で、デンマークの建築デザイン事務所「3XN Architects」が国内で初めて内外装のデザインを手がけ、博多駅前最大級の基準階面積約1,190坪のハイグレードオフィスを備える。博多駅前の賑わいの拡がりを創出する大規模立体広場「コネクティッドコア」の整備に加え、「ZEB Ready」認証取得を目指した環境配慮技術の採用や、「都心の森1万本プロジェクト」の主旨を踏まえた緑化空間、室内楽コンサートを開催できる高い音響性能をもつホールの設置が特徴だ。

西日本シティビル、博多新三井ビル建替計画

 5つ目は、現在開発が進行中の「博多新三井ビル建替計画」(28年竣工予定)だ。博多駅前1丁目で三井不動産(株)と(株)三井住友銀行が博多新三井ビルディングを建て替えるもので、博多駅に面して垂直に広がる立体的で豊富な緑を配した「ヴァーティカル・グリーン」の外装デザインと、回遊性を高める大階段と広場、ZEB Ready(オフィス用途部分)認証取得を目指す環境配慮が特徴だ。26年6月には、博多CBとグリーンボーナスの同時認定の第一例となった。

 こうした5つのプロジェクトが順次進んでいく一方で、すべてのプロジェクトが順風満帆なわけではない。22年3月に九州旅客鉄道(株)(JR九州)が事業着手を発表した「博多駅空中都市プロジェクト」は、当初は博多駅線路上空に最先端オフィスやラグジュアリーホテル、商業店舗からなる複合ビルを整備する計画だった。だが、同プロジェクトの計画地が博多駅の線路上に位置することで、その特殊性から施工の難易度が高く、昨今の工事費高騰の影響を大きく受けたことで、当初の想定よりコストが膨れ上がることが判明。当初の計画では事業計画が成り立たない状況となったことで、JR九州では事業の見直しに努めてきたが、25年9月に計画中止を発表した。

 天神ビッグバンの後発プロジェクトである博多コネクティッドでも、博多CBの竣工期限が28年末に迫ってきている。現在進行している博多新三井ビル建替計画のほか、まだ博多駅周辺では再開発を控えているビルも複数あるとされ、博多コネクティッドもいよいよ終盤戦に突入した感がある。

出来町公園休養施設も再始動
博多旧市街プロジェクト

 後発の博多コネクティッドのほうが注目を集めているが、当初は天神ビッグバンと対をなすプロジェクトと位置づけられていたのが、「博多旧市街プロジェクト」だ。

 博多旧市街プロジェクトは、中世最大の貿易港湾都市であった都市の中心地域である博多部において、価値ある資源をストーリーと街並みでつなぎ、市民や観光客が認知し楽しめる環境を整え、魅力も高めていくというもの。世界中の多くの都市で歴史が息づく街「旧市街(オールドタウン)」が観光名所として都市の観光を牽引していることもあって、福岡市においても「旧市街」である“博多部”の歴史・伝統・文化を際立たせることで、福岡市の魅力を高める取り組みを官民の連携によって街全体で推進していくことを狙いとしていた。施策パッケージは、①「博多部の魅力をストーリーでつなぐ」、②「博多部の魅力をまちなみでつなぐ」の2つで、具体的な中身は、歴史資源の発掘とストーリーづくりや歴史・文化に配慮した道づくり、観光案内板や都市サインの改修、PR・情報発信の強化、民間プレイヤーによる海外向け観光商品販売、オープントップバス「博多旧市街コース」の検討、海外有名旅行サイトとの提携・販売ルートの確保などだ。

出来町公園
出来町公園

    プロジェクトの第1弾として、博多駅北西に位置する「出来町公園」のリニューアルが17年12月に完了。その後、同公園内で休養施設などの設置・管理運営事業が進もうとしたが、その後に事業者側からの協定解除の申し入れを受けて、休養施設の開発がストップ。福岡市では再公募を行おうとしたものの、コロナ禍もあって、長らく“塩漬け”の状態にあった。それが、25年11月からようやく再度の公募が行われ、今年3月にプレジデントホテル博多などのホテル運営を手がける(株)プレジデントハカタを代表企業とするグループ「HAKATA 縁(EN) TERRACE」が優先交渉権者に選定。今後は同グループによる提案に基づき、27年10月の開業を目指して、新たな文化交流拠点となるS造・地上2階建の休養施設の開発が進められていく予定だ。

 博多旧市街プロジェクトの意義は、天神ビッグバン型の都市政策とは方向性が異なる。規制緩和で建替えを促すのではなく、建て替える必要のない歴史資源を束ねて「商品」に仕立て、認知と満足度を高める。ソフトの力で都心の競争力に変換する試みであり、冒頭のアゴダ社の分析が挙げた「伝統的な観光拠点以外の目的地」「ラーメンや屋台の食文化、リラックスした雰囲気」は、まさにこの旧市街的な文脈に根差す魅力だ。リピーターを生む都市の「深い層」として、博多旧市街は今後の福岡の観光政策の核として期待がかかる。

九大・箱崎キャンパス跡地が舞台Fukuoka Smart EAST

 市東部では、都心部の再開発とは少々毛色の異なる都市政策が進んでいる。それが、九大・箱崎キャンパス跡地を対象エリアとして市が進めているプロジェクト「Fukuoka Smart EAST」だ。

 16年秋に発表された同プロジェクトは、世界経済フォーラムの「トップ10の都市革新」などの事例を参考に、アジアのリーダー都市を体現する新たなまちづくりのチャレンジとなるもの。全体で約50haという広大な敷地で新たなまちづくりを行うことができる強みを生かし、「跡地利用将来ビジョン」や「跡地利用計画」を踏まえながら、モビリティやセキュリティ、エネルギーといった最先端の技術革新による、快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市を創造していくとしており、イノベーションの導入などによってさまざまな社会課題を解決することで、持続可能で快適なまちづくりを目指す壮大なプロジェクトとなっている。その先駆けの場所として選ばれたのが、東区・箱崎(九大・箱崎キャンパス跡地)の地であり、箱崎でのまちづくり事例をやがては全市、さらには都市圏・全国・海外へと波及させていきたい考えだ。

 なお、発表当初は箱崎だけでなく、同じ東区のアイランドシティも対象エリアとなっていたFukuoka Smart EASTだが、現在ではプロジェクトの対象エリアは箱崎のみとなっており、アイランドシティは外れている。

 もちろんエリアの動向としては、長らく動向が注目されてきた九大・箱崎キャンパス跡地の再開発が、いよいよ動き出したことも見逃せない。24年4月には、住友商事(株)を代表とし、JR九州、西日本鉄道、西部ガス、清水建設(株)、大和ハウス工業(株)、東急不動産(株)、(株)西日本新聞社で構成される企業グループが土地利用事業者募集の優先交渉権者に選定され、今年3月に正式に再開発事業者に決定した。住商グループらの提案では、特徴的な「イノベーションコア」を中心に、ゾーン特性に応じた交流・発信・実証を促すスマートステージの整備や、街の骨格を形成する5つのメインストリートが整備される。さらに「箱崎創造の森」と題した緑化率約40%・樹木1万本以上の緑空間の確保や、九州大学時代の街割りグリッドの継承なども盛り込まれている。

 そして10月22日、この再開発プロジェクト名が「HAKOZAKI BLOCK」に決定したと発表された。「好奇心まで、ひらくまち。」をコンセプトに、次世代通信技術「IOWN」を導入した最新のスマートサービスによる“顔パス”の暮らしを実現。福岡・九州の次なる成長を牽引する日本最大規模の未来型スマートシティを目指していくという。分譲マンション13棟(約2,000戸)と賃貸マンション2棟(約770戸)の住宅機能も整備され、第1期のまちびらきは28年度を予定する。

10月22日開催のプロジェクト発表会の様子、「HAKOZAKI BLOCK」ロゴ

水辺を都市回遊の軸に
リバーフロントNEXT

 天神と中洲・博多をつなぐ那珂川は、かつて川沿いのビルに背を向けられ、都心でありながら「裏側」の水辺だった。この空白を回遊の軸に変えようとするのが、那珂川沿いの須崎公園から清流公園までのエリアを対象とする「リバーフロントNEXT」である。二級河川の那珂川や天神中央公園を管理する福岡県と、川沿いの公園を管理する福岡市が連携して推進している。

水上公園、清流公園の南端広場(26年6月撮影)

 まず16年7月、天神ビッグバンの「東のゲート」と位置づけられた水上公園が「SHIP’S GARDEN」として再整備され、レストランの屋上は那珂川を眺めるテラスとして開放された。19年8月には県が天神中央公園の西中洲エリアを「HARENO GARDEN EAST&WEST」として再整備し、那珂川沿いに飲食店と水上交通の待合所が開業。23年7月には西中洲の護岸や樹木のライトアップが更新され、24年には地区内の石畳舗装が完成して情緒ある路地空間が生まれている。25年3月には、供用開始から60年以上が経過した福岡市民会館の後継となる「福岡市民ホール」が開館し、須崎公園の一部も併せてオープン。市民会館跡地は水辺に開かれた公園として整備が続けられている。清流公園ではPark-PFI制度を活用した再整備が進み、春吉橋の迂回路橋梁を撤去せず橋上広場として利活用する取り組みは23年4月に暫定供用を開始。飲食イベントや音楽ライブの会場として定着しつつある。護岸は、清流公園上流部から須崎公園下流部までの約1,600mの区間で、昔ながらの石積み護岸を再現する計画だ。

都市政策は緑化のフェーズに
グリーンボーナス&Park-PFI

 大規模な再開発プロジェクトの数々が先行しているが、近年の福岡市が注力しているのは、都心部における緑化の推進であり、その代表的な施策の1つが、25年4月からスタートした「グリーンビル促進事業」であり、そのインセンティブとして設けられたグリーンボーナスだ。

 グリーンボーナス認定制度は、緑化や環境に配慮したビル計画に対して、(1)「まちに潤いを与える木陰や花、目に映える立体的で豊富な緑化」、(2)「持続可能で未来につながる環境配慮」、(3)「周辺ビルや道路、公園等とのみどりのつながりを意識したデザイン性の高いビル」の3つの事項に適合する場合には、申請および市長の認定を得たうえで、都心部機能更新誘導方策に基づく容積率緩和のインセンティブを受けられるというもので、容積率緩和は最大50%。対象となるエリアは都心中心部エリアとされており、その範囲は天神交差点および博多駅から半径約500m、つまり天神ビッグバンおよび博多コネクティッドのそれぞれの対象エリアと同一のエリアだ。このグリーンボーナス制度の実施期間は、25年4月1日から35年3月末までとなっている。同一エリアかつ容積率緩和という同様のインセンティブが付与されたグリーンボーナスは、実質的に天神ビッグバンの後継プロジェクトという位置づけと考えられる。前出の天神大樹や(仮称)福岡天神センタービル建替計画、博多新三井ビル建替計画などに認定が与えられており、開発インセンティブ(容積率緩和)と緑化を結びつけるやり方が、新たな開発の「常識」になりつつある。

 なお、グリーンビル促進事業自体は、花や緑あふれる魅力的なまちを目指し、集合住宅のベランダ緑化(市内全域・補助率1/2・上限20万円)と、都心部のオフィスビルなどの緑化(補助率1/2・上限3,000万円)の二本柱で、民有地での“見える”みどりづくりを後押しするものだ。新たな開発だけでなく、既存ビルなどのストックを活用して緑化を進めていく方針のようだ。

 既存のストックを対象にした政策としては、近年福岡市でしきりに進めている公園の再整備「Park-PFI(公募設置管理制度)」も見逃せない。17年の都市公園法改正で導入されたこの制度は、民間事業者を公募して公園施設を整備・運営させ、その収益の一部を公園全体の整備・管理に還元させるもの。福岡市では、清流公園(水と光のショーが楽しめる公園へ)、明治公園(立体回廊と5つの広場を備えた博多駅前の新ランドマークへ)、東平尾公園・大谷広場(自然環境を生かした遊具とカフェ)の3公園の再整備プロジェクトを皮切りに、24年4月には東区の香椎浜北公園と西区の長垂海浜公園でも民間事業者の公募を実施。さらに音羽公園(博多区)や今泉公園(中央区)など、次々とPark-PFIの活用を推進している。

まだ青写真が多い
ウォーターフロントネクスト

 天神ビッグバン、博多コネクティッドと並ぶ都心再整備の「第三極」と位置づけられてきたのが、中央ふ頭・博多ふ頭エリアの再整備「ウォーターフロントネクスト」だ。16年の「ウォーターフロント地区再整備構想」策定から約10年が経過したが、その全貌はいまだ見えにくい。

中央ふ頭(24年8月撮影)
中央ふ頭(24年8月撮影)

    とはいえ、このエリアの資源は豊富である。MICE施設は、マリンメッセ福岡A館(95年開業)・B館(21年開館)、福岡国際会議場(03年)、福岡国際センター(81年)、福岡サンパレス(81年)が集積し、24年度のMICE来場者数は267万人に上る。クルーズでは、中央ふ頭クルーズセンターが15年に供用開始され、23年の外航船舶乗降人員は34万人で全国2位、クルーズ船寄港回数は2年連続で全国トップだ。博多ふ頭からは壱岐・対馬・五島へ、年間90万人が発着する。物流面でも、24年のコンテナ取扱貨物量は全国6位、国際コンテナ定期航路は41航路・月間202便(26年7月現在)が就航する。博多港の再整備は、単なる湾岸開発ではなく、長年にわたって国際港であり続けた港と都心の関係を根本から問い直す事業といえる。

 動きが鈍かった理由は、構造的な複雑さにある。MICE・クルーズ・国内定期航路という異質の3つの機能が同じ狭い岸壁に集積し、しかも稼働率70%台で推移する老朽施設(福岡国際センターとサンパレスは81年開業で築45年)を止めるわけにはいかないからだ。大相撲九州場所の全日程完売が続くなど需要は減っておらず、稼働を止められない施設の更新は難易度が高い。転機となりそうなのが26年3月で、市は再整備の検討を本格化させ、中央ふ頭西側の国際定期船ターミナルの移転とクルーズ施設の拡充、先端部への耐震強化岸壁の整備を軸とする方向を示した。01年の港湾計画で位置づけられながら24年間未整備だった耐震強化岸壁が、ようやく動き出すかどうかの分岐点にある。

 これまでの16年の都市政策のなかで、ここは最も次の市政への「宿題」といえる。海という最強の資源を、天神・博多と同レベルの「賑わい」と「防災」に変換できるか。それが次期市長の最初の試金石になるだろう。

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 高島市政16年間の都市政策を見ていくと、その成果は数字として表れている。市の人口は就任時から約20万人増加し、人口増加率は政令市1位、税収は約1.6倍になった。福岡県では25年も17年連続で転入超過(転入超過数5,136人)であり、同年の日本人住民増加数では福岡市が全国1位(6,347人増)を記録した。また、市は成長の果実としての税収増を原資として、子育て支援をはじめとする市民生活の質の向上にも還元。市民意識調査(令和7年度)では97.4%が福岡市を「住みやすい」と答え、92.9%が「住み続けたい」と答えている。

 一方で、その成長の陰には、もちろんツケもある。第1に住宅価格の高騰だ。福岡市の基準地価は住宅地・商業地ともに9年連続で上昇しており、福岡県は「住宅価格高騰」と「空き家問題」を二大課題として挙げている。移住者が増え続ける都市で、若い世帯が住める価格帯の住宅確保が困難になっている──これが16年の都市成長の裏に潜む問題の1つだ。

 第2に交通の問題だ。地下鉄七隈線は利用が想定を超えて増加しており、市は博多駅から福岡空港国際線ターミナルへの延伸や橋本駅から姪浜駅への延伸、4両編成から6両編成への増車の検討に踏み切った。地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線の相互直通運転の検討も表明されている。人口20万人増の副作用としての交通混雑は、都市政策の第2ラウンドの課題として挙げられるだろう。

 高島市政16年の都市政策は、「規制緩和と民間投資の相乗り」が、関東・近畿・中京の三大都市圏以外の一地方都市でも成立することを証明した。そして次の福岡市長に問われるのは、華々しい新構想の連打ではなく、天神ビッグバンの「ビルの建替え」から、グリーンボーナスによる「花や緑あふれる魅力的なまち」へと移行したように、福岡市全体を「建てる都市」から「住み続けられる都市」へ移行させる都市経営である。これまでの高島市政16年の福岡市の成長モデルが、単なる「都市の成長」だけで終わるのか、それとも「成熟の先」へと進んでいけるのか──。福岡市の都市政策の今後の動向が、引き続き注目される。

【坂田憲治】

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